『たのきん3球コンサート』とは、田原俊彦、近藤真彦、野村義男の3名による「たのきんトリオ」が、1980年代初頭に行った歴史的コンサートである。
第1回目(1981年)
振付:西条満
衣装:メリー喜多川
演奏:ANKH、ライターズ
バックダンサー:ジャパニーズ、スクールメイツ
音楽監督:元「ハイ・ソサエティー」、「スーパーエイジス」の高橋洋一
後楽園球場での公演が後日、日本テレビにて『たのきん後楽園コンサート -5万人大集合!真夏の祭典-』のタイトルで放送された。
[日程]
- 1981年8月6日 – 後楽園球場(入場客数:4万2,337人。チケットを買えずに入場できなかったものの、当日球場を取り囲んだファン:約4万人)
- 1981年8月9日 – 大阪球場
- 1981年8月12日 – ナゴヤ球場
[主な曲目]
- Born To Be Wild
入場曲として使用。たのきんによる歌唱は無く、コーラスグループ「チャープス」によるコーラスのみ。原曲:ステッペンウルフ。 - Free(田原、野村、近藤。原曲:シカゴ)
- ビークル(田原、野村、近藤。原曲:ザ・アイズ・オブ・マーチ)
- オリジナルメドレー(互いの曲をカバーし合ったレアなメドレー)
- 恋=Do!(田原、野村、近藤。リードボーカル:近藤)
- ヨコハマ・チーク(田原)
- ブギ浮ぎ I LOVE YOU(田原、野村、近藤。リードボーカル:野村)
- スニーカーぶる~す(田原)
- 哀愁でいと スローバージョン(近藤)
- ハッとして!Good (グー) (田原、野村、近藤)
- 恋=Do! ~ 哀愁でいと(田原、野村、近藤)
- キミに決定!(田原、野村、近藤)
- ジュリエットへの手紙(田原)
- 哀しきハイスクール(近藤)
- ザ・青春セイリング(田原)
- ぐでんぐでん(近藤。原曲:萩原健一)
- 銀座カンカン娘(野村)
- グッドラック・ロード(野村)
- 恋のローラースケーター(野村、近藤)
- FUNKY FLUSHIN’(田原、野村、近藤。原曲:山下達郎)
- Only You Can Rock Me(田原、野村、近藤。原曲:UFO)
- Hot Legs(田原、野村、近藤。原曲:ロッド・スチュワート)
- Lovin’ You Baby(田原、野村、近藤。原曲:KISS『I Was Made For Lovin’ You』)
- Happy People(田原、野村、近藤。原曲:テンプテーションズ)
- ローリング・ストーンズメドレー(田原、野村、近藤)
- Time Is On My Side
- (I Can’t Get No) Satisfaction
- Jumpin’ Jack Flash
- 他…
第2回目(1983年)
「たのきんトリオ」としては最後のコンサートとなり、この大阪球場公演をもってトリオは解散となった。
8月7日に予定されていた後楽園球場公演は、東京公演のチケットの申込者に当選結果を発送した後に、警察サイドより「安全面の観点から、2階席の最前列に観客を入れないで欲しい」との申し出があった。これに対し、「当選発表をした現在では、観客の数を削減出来ない」とジャニーズ事務所が判断したため、やむを得ず公演を中止することとなった。この公演中止に際し、3人は揃って記者会見を行い、公演中止の発表を行った。名古屋と大阪の公演だけでも、かかった総費用は2億円に及んでいる。
このコンサートの演出は、後のジャニーズのコンサートの礎となる内容であり、マジック、スタントアクション、水、炎、花火、フロート(通称:トロッコ)などを使用した演出が多数盛り込まれている。
後に、8月28日の大阪球場での模様を収めたファンクラブ企画のライブビデオが、会員限定で販売された。
[日程]
- 1983年8月7日 – 後楽園球場(公演中止)
- 1983年8月14日 – ナゴヤ球場
- 1983年8月28日 – 大阪球場(観客動員数:約27,000人)
[曲目]
- DEAD OR ALIVE(田原、野村、近藤)
インストゥルメンタル。野村のギターと共に、田原がキーボード、近藤がドラムの演奏を披露している。 - SEPARATE WAYS(田原、野村、近藤。原曲:ジャーニー)
- ピエロ(田原)
- ハイティーン・ブギ(近藤)
- 俊彦・真彦メドレー(田原、近藤)
- 哀愁でいと
- スニーカーぶる~す
- 悲しみTOOヤング
- ヨコハマ・チーク
- 恋=Do!
- ブルージーンズ メモリー
- 君に決定!
- ハッとして!Good (グー)
- ギンギラギンにさりげなく
- NINJIN娘
- 情熱☆熱風☽せれなーで
- ブギ浮ぎ I LOVE YOU
- グッドラックLOVE
- ふられてBANZAI
- 君に薔薇薔薇・・・という感じ
- ハイティーン・ブギ
- 原宿キッス
- ホレたぜ!乾杯
- 誘惑スレスレ
- ギタープレー(野村)
- 真夏の一秒(近藤、野村)
この曲では、前曲に続き野村がギターを演奏している。 - シャワーな気分(田原)
- センチメンタル・ハイウェイ(田原)
田原のアルバム『波に消えたラブ・ストーリー』収録曲。 - BEAT IT(田原。原曲:マイケル・ジャクソン)
- I WANT YOU TONIGHT(田原。原曲:パブロ・クルーズ)
- 天使の休息(近藤。近藤のアルバム『Rising』収録曲)
- 爆走レイルロード(近藤。近藤のアルバム『Rising』収録曲)
- リバプール横浜(近藤)
曲中でダウン・タウン・ブギウギ・バンドの『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』の一部を、歌詞を変えて歌唱している。 - バラード(田原)
田原のアルバム『波に消えたラブ・ストーリー』収録曲。 - ついでのようにKiss Me(田原)
田原のアルバム『波に消えたラブ・ストーリー』収録曲。 - 水の中のヴィーナス(田原)
田原のアルバム『波に消えたラブ・ストーリー』収録曲。 - めちゃめちゃロックンロール(野村)
野村のアルバム『待たせてSorry』収録曲。 - ロッキン・マイ・ハート(近藤。原曲:矢沢永吉)
- ヘイガール(近藤)
シングル『ためいきロ・カ・ビ・リー』のカップリング曲。 - ためいきロ・カ・ビ・リー(近藤)
- アイム・イン・ラブ(近藤、野村)
近藤のボーカルと野村のギター演奏による曲。 - エピタフ(田原)
原曲:キング・クリムゾン。 北公次も1974年にカバーしていた楽曲。 - I’m So Excited(田原。原曲:ポインター・シスターズ)
- セイクレット・ソング(近藤)
- DON’T TELL ME YOU LOVE ME(田原)
原曲:ナイト・レンジャー。エンディングに近藤と野村が登場。 - ハロー・アイ・ラブ・ユー(田原、野村、近藤。原曲:ドアーズ)
- 悲しきハイスクール(田原、野村、近藤)
近藤のアルバム『THANK 愛 YOU』収録曲。 - ジュリエットへの手紙(田原、野村、近藤)
田原のアルバム『No.3 Shine Toshi』収録曲。 - さらば…夏(田原)
- ジャンピング・ジャック・フラッシュ(田原、野村、近藤。原曲:ローリング・ストーンズ)
- 詩の贈り物(田原、野村、近藤)
この他にも、ビデオに収録されていないが、以下の曲がコンサートでは披露された。
- 黒く塗りつぶせ(THE GOOD-BYE)
- 待たせてSorry(THE GOOD-BYE)
- PLEASE PLEASE ME(THE GOOD-BYE)
- Zokkon 命 (LOVE) (シブがき隊)
- 走れ!ゴーインBOY(イーグルス)
- だいじょうぶマイ・フレンド(乃生佳之)
- 赤いポルシェ(THE GOOD-BYE)
- 君の瞳に恋してる(ジャニーズ少年隊)
- Hey! Bep-pin(シブがき隊)
- 気まぐれOne Way Boy(THE GOOD-BYE)
- SLOW DOWN(THE GOOD-BYE)
- GOOD-BYEのテーマ(THE GOOD-BYE)
乃生佳之、少年隊、イーグルスは名古屋と大阪の両方に参加。シブがき隊は、仕事の都合で名古屋公演のみの参加。
なお、当時のジャニーズJr.約30名も応援出演しているが、当時はまだ関西Jr.が存在しなかったため、東京のJr.たちが原宿の合宿所からバス移動で、大阪や名古屋まで駆け付けた。
ビデオ
ヤングコミュニケーション ’83「3球コンサート 1983・8・28 大阪球場」
1983年。VHSとBetaの2種で発売。カラー・115分。7,000円。
企画:ジャニーズファミリークラブ。販売元:(有)キャッツ。
品番:JFC-0001。音声:モノラル
パッケージ、およびビデオテープのレーベルに「たのきんトリオ」の表記は無く、アーティストクレジットは「田原俊彦 ・ 近藤真彦 ・ 野村義男」の表記となっている。
パッケージの収録曲の表記が適当で、正式な表記で無いものが多数ある。製作スタッフのクレジットもほとんど無い。
映像にはカメラを持参してきているファンの姿が多数映っているが、1983年の3球コンサートでは、観客へのコンサートの撮影を許可していた。そして後日、ファンが撮影した写真を募集し、このコンサートの写真集『THANK YOU PHOTO GRAFFITI』にいくつか掲載された。
写真集
THANK YOU PHOTO GRAFFITI(1984年3月9日、ニッポン放送出版)
情報提供・コメント