1926年から1989年までの64年間、日本は激動と復興の時代を経験した。昭和の始まりは関東大震災と大正デモクラシーにより江戸、明治から引き継がれてきた街並み、風習、生活意識が破壊し尽くされ、繁栄の特効薬を戦争に求めた。
挙国一致の総動員体制を敷き、あろうことか破局への道に邁進するのだ。
戦前の軍国主義と太平洋戦争の惨禍を経て、戦後は焼け野原から高度経済成長を遂げ、日本は世界有数の経済大国となった。高度情報化社会への移行、バブル経済による空前の好景気、国際社会における地位向上など、目覚ましい発展を遂げた一方で、環境問題や少子高齢化などの課題も顕在化。天皇制や伝統文化を守りつつ、民主主義社会としての歩みを模索した時代でもある。
やがて一般大衆の面前に暴かれるおぞましい政治腐敗の予兆が見え始めた頃でもある。そして政治、経済共に停滞と空白の90年代を迎えるが、それは平成の物語である。