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ウォーキングの季節

ウォーキングの季節

空の高い位置に浮かんだ雲の塊が小さな魚の群れのようだ。
立て続けに発生した台風が、居座っていた残暑を蹴散らして季節をぬりかえたように、雲がすっかり秋の様相になった。
朝晩も涼しくなり、夏バテならぬ夏太りを解消するために、暑さに閉口してずっとサボっていたウォーキングを再開する頃合いだと決断した。

夕食後の約1時間のウォーキングコースにはいくつかのチェックポイントがある。
調子が悪い時に折り返すショートコース地点。その折り返し地点には運悪く(運よく)ブックオフがあり、体調とは関係なく休憩ポイントと化してしまうことがあるので注意を要する。

挫折せずに無事ショートコースを通過すると、次のミドルコースは順調に歩を進めることができる。
閑散とした通りは街灯もまばらで、気を付けないと水溜りに足を取られてしまうほど薄暗く、ひたすら前進するしかないのだ。

足早にミドルコースを抜け、最終のロングコースに辿り着く。
このロングコースには、いくつかのイベントと難所が待っている。
先ずは、店舗の外見だけでは何屋さんなのか業種が判然としない中華料理屋さんの客数当てクイズ。県道に面した立地条件なので車窓越しに遠くから訴求できる、食欲に直結するような目を引く配色のサインポール看板が大事な役割を担うと思うのだが、ぼんやりとした薄明かりの中で、店主のこだわりなのか没個性的な店名が浮かんでいるだけである。駅周辺でさえ人通りが寂しい土地柄だから、店の前の歩道にはほとんど人影はなく、たまに運動不足解消のウォーキング夫婦連れがひやかし程度に「1組、3人。」と訳の分からないことを言いつつ、店内をのぞく程度である。

中華屋さんとは対照的に夜の背景に赤と黄色の看板がくっきりと映える建物が見えてきた。
暫し牛丼屋とマックを目印にして、ロングコースを進む。
ちょうどこのお店付近は、運動不足の太腿にピキッと足がつりそうになるサインが走る歩行距離にあたり、そのサインが顕在化した時には欠かせない休憩場所も兼ねるが、この難所をやり過ごすとロングコースの折り返し地点は間近である。

心地よい疲労感を伴って、ウォーキングの帰路につく。
往路同様にファミレスの客数当てクイズがある。チェーン店なのでさすがに客数は1組、3人ではないので、「7割」のように混み具合を言い当てる趣向である。7割も8割も目測しただけでは分からず、判定不能に終わることが多いが。

暗く起伏の多い道程にあって、平坦な地面がまっすぐに続く場所がある。
ロングコースの帰り道、等間隔の街灯に照らされた直線コースは、よりカロリーを消費させるために設けられたとしか思えない、絶好のダッシュポイントになっている。
調子が良い時やちょっとした気まぐれでまれにダッシュを数本行うことがあるが、そんな時は、次に控える最後の難所である長い陸橋の登り降りを前にして、自分の無謀な行為に後悔するのである。

 


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