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小泉今日子『半分少女』

小泉今日子『半分少女』
発売日 1983.07.21
作詞 橋本淳
作曲 筒美京平
編曲 川村栄二

80年代筒美作品の中では最重要作品のひとつ

前作「まっ赤な女の子」ではテクノポップ調に挑戦した小泉だが、この作品では再びアナクロ路線へ。
なんでも「まっ赤な~」の過激さに筒美京平が危惧して、安全策のような形でこの作品を提供したのだとか。
別に「まっ赤な~」がそんなに過激だとは思わないけど。
そんな事言ったら、筒美自身が手がけた松本伊代の立場は?
「TVの国からキラキラ」だの「オトナじゃないの」だの、あんなにブッ飛んでたというのに。
その後なんらフォロー無かったし。

まぁそれはともかく、同じアナクロでありながらもデビュー時とは全く異なった作風である。
「私の16才」における中近東ディスコ歌謡(?)とも、「素敵なラブリーボーイ」におけるチアガール歌謡とも違った、フォーク調サウンドだ。そういう意味ではちょっと新鮮ではあるか。

曲は典型的な70年代アイドル歌謡だ。目新しいモノは何一つ無いが、手堅い作り。歌詞も同様である。
いや、同様どころか、これまでアナクロ路線でリリースされたどの作品よりも、アナクロ度が高い歌詞だ。
♪かなしくしく~ だの ♪うれしくしく~ なんてフレーズ。
83年リリース当時でも、かなり時代錯誤な印象を持った。
まぁ判り易くてよく出来た歌詞だとは思うし、足を引っ張るほどの欠点ではないけど。

むしろ、小泉の歌唱が一番のウィークポイントだと思う。
色気を出すのはイイが、媚を売りすぎていてあまりにも粘着質。
そのせいで音程もずれてるし、かなり耳障りだ。普通に歌ってれば、作品の良さはもっと引き出されたであろうに。

しかし、この作品の特徴はアレンジにある。
全体はフォーク調で、ノスタルジックな印象だが、よーく聴くとデジタルサウンドなのだ。
この一聴すると懐古的だけど、実はデジタル仕立てという「温故知新」なコンセプトは、後に筒美京平が多作するジャンルである。

小泉自身の「魔女」「夜明けのMEW」や、薬師丸ひろ子「あなたを・もっと・知りたくて」、斉藤由貴「卒業」「初戀」などなど。この「半分少女」はその手の先駆けなのだ。まだデジタル度は低いけど。

筒美伝説では、ほとんど振りかえられることのないこの作品。しかし、そう考えるとこの作品は結構重要である。(1999.12.6)

 HAGGYの台所
 


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