作詞 橋本淳
作曲 佐々木勉
編曲 矢野立美
先日新聞のお芝居の広告で比企理恵が脇役で載っていました。最近TVでは全然見かけませんが、舞台では活躍しているようです。歌手現役時代の印象は全然残っていませんが、ちゃんと聴くとなかなかツボを突いている彼女のデビュー曲「恋のローラー・ブーツ」をご紹介したいと思います(オリコンTOP100チャートインせず)
作詞は橋本淳。セカンドシングル「ARE YOU HAPPY?」も書いています。他のアイドルでは中村容子「ティーンエイジ・ソルジャー」や森尾由美などを手掛けています。
まだ子供な私だけれどローラースケートを教えてくれるあなたをどんどん好きになっていく、という歌詞です。コンセプトは違うけれど横文字の使い方や言葉の飾り方が高見知佳「シンデレラ」に似ています。
作曲は佐々木勉。作詞家:笠間ジュンとのコンビで同じホリプロの榊原郁恵や荒木由美子に曲を提供しています。この曲平たく言うと「DO IT BANG BANG」をストレートにした感じ。メジャーな中にもマイナー展開する日本人好みのメロディーライン。A-A”-B-Cの構成で、特にBメロがグッと来ます。そしてタメと畳み掛けの絶妙なバランス!スピーディーなアレンジと相俟って最高。ただ“心配いらないの~”の部分にもう一ひねり欲しい気がします。
編曲は矢野立美。セカンドシングルも手掛け、以前ご紹介した水谷絵津子や伊藤かずえ、他に小泉今日子「常夏娘」等をアレンジています。今聴くとちょっとお間抜けなブラスのイントロから始まり、ボーカルを追いかけるギターやストリングス、何処を取っても古き良きアイドル歌謡のオーソドックスなアレンジを堪能させてくれます。
ベースラインも意欲的だしリズム隊も変化に富んで飽きさせません。でも何処となく「夏のお嬢さん」+「DO IT BANG BANG」÷2の雰囲気がするのは御愛敬。
ボーカルはちょっと味の部類。歌が幼いです。岩井小百合のように声が幼いのではなく、歌そのものが幼いという意味です。喉鼻声で“ら行”は結構独特の舌遣い。語尾の音程が少々不安定で、所々口の締まりが甘いな~と思う箇所がありますが、確かデビューが14歳位で中学生だった事を考えると致し方ない気もします。
まあこの曲には彼女のボーカルの初々しさはピッタリです。
S55(1980)年組に先んじたデビューでしたがあの松田聖子や岩崎良美の同期。同じには芸映の河合奈保子。半年後ホリプロにはスタ誕出身の甲斐智恵美。ローティーンのアイドルがプロモートするにはかなり不幸な境遇としか言えません。
その後ドラマ「不良少女とよばれて」が代表作?となる訳ですが、スカウトキャラバンの西村まゆ子・能瀬慶子の失敗を挽回するには、エキゾチックなルックスの少女にとって荷が重すぎました。何とも“ヒキ”が弱いアイドルです。お後が宜しいようで。(『音故知新』オムニバス)
heaven and earth

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