作詞 売野雅勇
作曲 大沢誉志幸
編曲 萩田光雄
中森明菜のテーマソング
「少女A」でツッパリアイドル歌謡の礎を築いた中森明菜。この歌で再び同じ路線にトライ。
「少女A」に比べると、よりタイトでスピード感あるロック調サウンドに仕上がっている。
アレンジも所々でリズムを変化させたりして、より洗練された完成度の高い作品となった。
大沢誉志幸の曲も、まぁ悪くないし。
明菜の歌唱も、「少女A」では見られなかった”ドス”が効いてきて、ちょっとだけ迫力が出てきた。
ただ「少女A」の方が荒削りで斬新だった分、インパクトが大きかったのは事実。
そう言う意味では、この歌はちょっと影が薄いのは否めないか。
とにかくこの歌は、サウンド以上に歌詞が優れているのが特徴。
「少女A」よりも、明菜の個性に一層フィットした内容となった。
その彼女の個性を集約すると、
(1) 小悪魔と清純が同居する不思議さ
(2) 大人と少女を揺れ動く不安定さ
(3) 強さと脆さが混在した不可解さ
(4) 華やかさの裏に漂う孤独感
こんなところか。で、この歌はそんな当時の彼女を、歌詞で分かり易く表現しているのだ。
♪半分だけよ大人の真似、後の残り純粋なまま~
♪誰も私、解ってくれない。人より少し寂しいだけ~
「少女A」が「中森明菜・ツッパリ宣言」だとすれば、この歌は「中森明菜のテーマソング」だと言える。
当時の彼女を知らない今の若い人に、この歌を聞かせれば、当時の明菜がどんなイメージだったか判ってもらえそう。売野雅勇、イイ仕事してる。(1999.11.19)

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