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中森明菜『SOLITUDE』

SOLITUDE
発売日 1985.10.09
作詞 湯川れい子
作曲 タケカワユキヒデ
編曲 中村哲

情状酌量の余地がある意外な失敗作

これは明らかに失敗作だ。聴いていて退屈極まりないし、特に目新しい何かがあるわけでもなし。
だが、この失敗については私、スタッフには大いに同情してしまう。
というのも、まずこの作品のコンセプトだが、「恋人との別れを、夜の都会を舞台にクールに決める大人の女」。
簡単に言えばそんなところ。
当時の明菜の状況から言えば、スタッフが彼女にこういったコンセプトで歌わせようとしたのは、ごく自然な流れだったと思うのだ。おそらくシングル制作会議の席では

 「明菜も大スターになったんだからさぁ、そろそろ本格的に”大人のオンナ”で攻めてみようよ」
 「そうだねぇ、ツッパリとはまた違った面を出したいよねぇ」
 「で、どうする?ここんとこワールド系に走っちゃったじゃない」
 「じゃあ今度はアーバンで行く、ってのはどぉ?」
 「あ、都会のオンナね。いいじゃん、明菜って20歳にしては大人っぽいし」
 「ファンもクールな彼女を見てみたいでしょう、きっと」
 「そうだよねぇ、じゃあ今回はソレで決まり!」

こんな具合で話がトントン拍子に進んで行ったに違いない(ホントか)。で、この作品が制作されたのだろうが・・・・
出来あがった作品は、非常にコンセプトには忠実である。
曲もアンニュイな明菜の魅力に合わせた作りだし、歌詞もクールな大人のオンナを上手く表現している。

アレンジも夜の都会を表現すべく、そこそこムーディーな仕上がり。
明菜自身も抑えたヴォーカル(というか、かったるそうな歌唱)で、作品世界を無難に表現。
全ての面で、コンセプト忠実度は水準レベルだ。
そう言う意味では、完璧な(というか、ソツがない)作品であると言える。

なのに、つまんないのだ。
思うに、コレは明菜のイメージと作品のイメージが、余りにも寸分違わず一致しすぎたが故に、逆に意外性や新鮮味に欠けてしまい、結果として非常に退屈な作品が誕生してしまった、ということだろうか。
もしくは、このコンセプトで制作すれば、どう転んでもメリハリ皆無のアンニュイ歌謡しか出来ない、ということか。
いずれにしても、ナイスな企画だったのに思わぬ計算外!
情状酌量の余地アリ、ってとこでしょうか。(1999.11.19)

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