中森明菜『スローモーション

中森明菜
発売日 1982.05.01
作詞 来生えつこ
作曲 来生たかお
編曲 船山基紀

対照的な歌詞と曲を結びつけるアレンジが見事

中森明菜のデビュー曲。この歌はよく聴くと、歌詞と曲、それぞれの印象がバラバラだ。
まずは歌詞。女の子が初夏の海岸で一人の男性と出会い、そこから恋の始まりを予感させる・・・・そんな内容。
対して曲はマイナー調で、恋の始まりよりも、むしろ失恋のほうがふさわしい。季節的にもおよそ初夏を感じさせるメロディではない。

かように曲と歌詞は、イメージ的には逆座標に位置する。
しかし、曲と歌詞の違和感を秀逸なアレンジがブリッジすることで、ものの見事に相殺されている。

まずイントロを目いっぱいドラマティックにすることで、何かが始まる予感を、そして初夏の渚の情景を上手く表現。
特にピアノの細密で、且つスピーディーなアレンジが効果大。
で、歌い出しではアレンジを抑え、サビからは再びドラマティックなアレンジへ。
♪出会いはスローモーション~ 出会いの喜び、恋への期待感をあますところなく表現している。
エンディングではリズムがブレイクし、ピアノ伴奏のみのアカペラ状態になるが、これも出会いの感激から一段落して、恋のスタートへゆっくりと歩み出す、といった心境を上手く表現しているように思う。

この作品は、マイナーな曲調や「スローモーション」というタイトルにとらわれず、ドラマティックでスピーディーなアレンジを軸にしたことが成功の要因だ。(1999.11.19)

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