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小泉今日子『まっ赤な女の子』

小泉今日子『まっ赤な女の子』
発売日 1983.05.05
作詞 康珍化
作曲 筒美京平
編曲 佐久間正英

70年代アイドル歌謡を、80年代的解釈でここに再現

結論から言ってしまうと、「ひとり街角」や「春風の誘惑」では、「私の16才」をモチーフに、70年代アイドル歌謡をやや80年代的な味付けで再現したような趣きがあったのだが、この「まっ赤な女の子」では、「素敵なラブリーボーイ」をモチーフに、完全に80年代的な解釈で70年代アイドル歌謡を再現しているのだ。僕にはそう取れる。

具体的に言うと、曲・アレンジはまさに「素敵な~」風のチアガールサウンドだ。
ただし、全編にシンセドラムっぽい打ちこみサウンドを施したり、♪ジリジリ~ のコーラス部分にヴォコーダーを使用したりと、アレンジはテクノポップ仕立てで、完全に80年代ヴァージョン。
「素敵な~」に比べると、相当に凝ったアレンジだし。

ただ、筒美京平のテクノ歌謡で、これほどメロディが歌謡曲っぽいモノは結構珍しいのでは?
普通、メロディも前衛的な洋楽っぽい作品が多いのに。
榊原郁恵「ロボット」、早見優「夏色のナンシー」、河合奈保子「UNバランス」とか。
そういう意味では貴重な実験作なのかも知れない。
歌謡曲純度の高いテクノポップという点では、この作品、柏原芳恵「ト・レ・モ・ロ」やC-C-B「Romanticが止まらない」の先駆けとも言えるかも。その手の中でも、これは最高傑作に入る作品だろう。

歌詞も「素敵な~」風のおしゃま路線を踏襲。
しかし、こちらの方が渚を舞台にしている分、お色気度の高い内容だ(大したことはないが)。
♪ドッキリ~ とか聴かせ所も多いし。
♪つかまえてなきゃぁ~ とか、♪瞬間ウキウーキ とか「泣き(?)」も多用していたり。
小泉にとって、歌詞の面では(というか、歌唱面か)結構新境地となった。
でも、おかげで彼女自身、これまでの優等生的なイメージを打破して、「元気&コケティッシュ」という新キャラ開拓に成功した。といっても、これまでのファンが面食らわない程度の、ソフトなイメチェンではあるが。

かようにこの作品では、典型的な70年代アイドル歌謡を、時代に即した形で無理なく再現することに成功。

そのおかげで、従来路線支持者の期待を裏切ることなく、新しいファン層の拡大にも成功して、結果大ヒットとなり、トップアイドルの仲間入りを果たした記念碑的作品となった。
同時期に髪の毛をショートカットにしたことも、「新生・小泉今日子」をアピールするのに役立った。
ナイスなタイミングである。(1999.12.6)

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