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小泉今日子『クライマックス御一緒に』

小泉今日子『クライマックス御一緒に』
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発売日 1984.01.01
作詞 森雪之丞
作曲 井上大輔
編曲 井上大輔

単なる企画モノ扱いでは、あまりにもったいない傑作

フジTV系『月曜ドラマランド・あんみつ姫』の主題歌。
『あんみつ姫』は小泉本人が主演した、『月曜ドラマランド』屈指の人気シリーズ。
ただし、厳密に言うと、これは小泉今日子のシングルではなく、”あんみつ姫”名義でリリースされた企画盤である。
確かこの歌は企画盤であることを理由に、TVの歌番組では一度も歌われたことがなかったハズだ。おかげで、この歌を知らない人は意外に多い。

しかし、そんな悪条件下でのリリースだったにもかかわらず、20万枚の好セールスを記録。
これは、当時の小泉人気や『あんみつ姫』の高視聴率を受けての結果であることは当然なのだが、作品自体が傑作だったことも大きいと思う。

まずは曲だが、井上大輔らしい、ミディアムテンポでキャッチーなメジャー系。
いささかサビが弱い気がするけど、全体がムラ無く良いメロディなので救われている。

アレンジも井上が担当。これも井上らしいアレンジだ。
特に間奏部分が同時期にリリースされた井上アレンジ、倉沢淳美「プロフィール」のエンディング部分と酷似しているのが興味深い。姉妹作か?それとも単なる類型パターンの産物か?全体的にはソフトな印象だ。
ハデハデだった「艶姿ナミダ娘」と比べると、ちょっと物足りない感じもするが、まぁ『あんみつ姫』の主題歌だし、こんなもんだろう。

で、森雪之丞の歌詞だけど、なかなか良く出来た歌詞だと思う。
夢見る少女の空想を小説に見立てて、恋愛プロセスをワンシーンづつ表現した『起承転結』型。
さらに、恋人が結ばれる瞬間を「クライマックス」と表現するくだりなど、コンセプトを含めて上出来である。
しかも、♪ドドドッキン~ ♪バババッキン~ とか
♪クライマックス御一緒に~アハン などなど、「艶姿~」以上にお色気満載で、聴かせ所も多い充実の仕上がり。

う~ん、やっぱりこれは歌番組で見てみたかったなぁ。露出が多かったら、30万枚前後のヒットになったのでは?
ソフトなアレンジも、元旦リリースという事を考えれば、春先の季節感に程好くマッチしてるわけだし、前作「艶姿~」と次回作「渚のはいから人魚」のつなぎとしても、特に問題ない作品なのだから。

確かに「艶姿~」との間隔が2ヶ月しかないのは、サイクル的にキツいけど。
しかし過去には、CMソングを緊急リリースした形の作品だった、田原俊彦の「悲しみ2ヤング」が、前作との間隔が2ヶ月しか無かったのにもかかわらず、実際に正規盤として発売されて何の支障も無かったのに。
すごく残念である。

ちなみに、この作品は「森雪之丞&井上大輔」という、シブがき隊ではおなじみのコンビ。
「艶姿~」がシブがきっぽいなぁ、と思っていた所で、いかにもなこの人選。
“ブッ飛び路線”で行くなら、確かにベストな布陣ではあるかも。(1999.12.6)

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