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アゲハ蝶からの招待状

アゲハ蝶からの招待状

読みたいときに読みたい本を読む。
これをモットーに積読は読みたい本を後回しにするので極力貯めず、角川ホラー文庫コーナーで立ち止り、降って湧いたような現代ファンタジーブームに浸かり、三津田信三的なミステリーホラーを経由して、現在は我が読書の原点であるSFに回帰中である。

海外SFばかり手にしてきたが、今の気分はこれまで何となく避けてきた日本の若手(新鋭)作家たちのSFを意識的に読んでいる。彼ら作家を勝手に第三世代と銘打ったが、世間的には第四世代らしい。
第一世代が小松左京など昭和30年代にデビュー、第二世代が山田正紀など昭和40年代後半のデビュー、第三世代が神林長平など昭和50年代前半のデビューという分類があるようで、それ以降のデビュー組が第四世代に相当する。
私は第一世代と第二世代を一緒に捉えていたので、第三世代までしかカウントしなかったが、2000年代に発表した作品を以ってゼロ世代作家などという括り方もあるようだ。

いずれにせよ、国内SFは海外ものと比べて科学的根拠に裏打ちされた詳細なプロットの不全さ、グローバルな視野の狭さに起因するスケールの矮小さ、ライトノベル的な印象といったものがどうしても付き纏ってしまい、神林長平以後の作家はほとんど読んでこなかった。
だがそれは偏った評価であり、作品の発信力が足りなかったのではなく、読み手であるこちら側の受容する受け皿が一方向にしか向いていないため感性が歪曲し、本来自分が持っている理解力の範囲内ではあるが作品の意図を満遍なく受け取っていなかったことに思い至った。

それは新刊本屋のハヤカワ文庫コーナーで起きた。
ふと立ち寄った買い物先で偶然探し物が見つかったとき、私はこの僥倖を探し物に「呼ばれた」と表現している。同じように本屋で未読の作家や小説に「呼ばれる」ことがある。
本屋で面白そうな本がないかなと物色していると、凝った意匠の装丁、表紙のイラスト、帯のキャッチコピーから伝わるイメージだけでは到底説明しきれない何かに「呼ばれ」て、手にする本がある。視界にサッと飛び込んでくるような感じである。
そんな本は、もちろん裏表紙のあらすじや物語の書き出しはチェックするが、大体面白い作品が多くハズレは少ない。
その日は、籘真千歳の『スワロウテイル人工少女販売処』に「呼ばれた」。

早川書房の文庫棚で見つけたこの作品を機に三島浩司、藤井大洋、伊藤計劃、円城塔などを読み継ぎ、これまでの国内外のSFの資産をしっかり消化した大作揃いに満足している。

今日24日にスワロウテイルシリーズ4作目の新刊『スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの』が出た。4作目ともなれば人気シリーズである。
やはり呼ばれた感性は当たっていた。

 


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