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やっぱり短編はダメだった

やっぱり短編はダメだった

短編はほとんど読まないのだが、ブックオフでコニー・ウィリス著「わが愛しき娘たち」を105円コーナーで見つけたので、最近読み終えたばかりのオックスフォード大学史学部シリーズの前日談にあたる「見張り」が収録されていることもあり購入した。

1982年に書かれた短編の筋がその後のシリーズの展開とシンクロする箇所がいくつかあり、まさかこの時点で30年後の長編をすでに構想済みだったのかと唸らせるほどの時系列的整合性に、思わず息を呑み、深々と嘆息してしまった。

だが、そこまでだった。
それ以外の短編は、好きな作家であるにもかかわらず、登場人物をようやく覚えたかなと思ったあたりで作品が終わってしまい、著しく物足りないのだ。短編なので当たり前なのだが、ひとつの事象を読者に伝えるにあたって、登場人物たちの会話や周りで起こる出来事をもって物語の推移が徐々に浮かび上がってくる長編とは違い、直截的に内容を伝えてくる短編のスタイルは苦手である。直前に読んだ長編が3,500枚の大作だけに尚更だ。

その後、何とかその短編を読み終えたのはいいが、読みたい本でない本を読んでしまった弊害が出てしまい、ずっと続いていた読書熱が下火になってしまった。
そこですぐに長編を読まねばと焦り、ずっと積読本だった創元SF文庫のロバート・チャールズ・ウィルスン著「時間封鎖」の上巻を手にした。

これが面白かった。
三部作の第一部にあたる作品で、

ある夜、空から星々が消え、月も消えた。翌朝、太陽は昇ったが、それは贋物だった。

という、“ゼロ年代最高の本格SF”という寸評のヒューゴー賞受賞作品。
第二部「無限記憶 」完結編「連環宇宙」と続く、読みごたえのあるシリーズで満足度の高い本だった。

 

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