1962年 週間1位
※通し番号.曲名 邦題/アーティスト/No.1の日付(No.1の週数)/年間順位- The Twist ツイスト No.1/Chubby Checker/60.09.19&62.01.13-20(1+2)/9位
- Peppermint Twist-Part 1/Joey Dee & the Starliters/62.01.27-02.10(3)
- Duke of Earl 恋のスーパー伯爵/Gene Chandler/62.02.17-03.03(3)
- Hey! Baby/Bruce Channel/62.03.10-03.24(3)
- Don’t Break the Heart that Loves You 泣かせないでね/Connie Francis/62.03.31(1)
- Johnny Angel/Shelley Fabares/62.04.07-14(2)/6位
- Good Luck Charm/Elvis Presley/62.04.21-28(2)
- Soldier Boy/the Shirelles/62.05.05-19(3)/10位
- Stranger on the Shore 白い渚のブルース/Mr. Acker Bilk/62.05.26(1)/1位
- I Can’t Stop Loving You 愛さずにはいられない/Ray Charles/62.06.02-30(5)/2位
- The Stripper/David Rose/62.07.07(1)/5位
- Roses Are Red 涙の紅バラ/Bobby Vinton/62.07.14-08.04(4)/4位
- Breaking Up Is Hard to Do 悲しき慕情/Neil Sedaka/62.08.11-18(2)
- The Loco-Motion/Little Eva/62.08.25(1)/7位
- Sheila 可愛いシェイラ/Tommy Roe/62.09.01-08(2)
- Sherry/the Four Seasons/62.09.15-10.13(5)
- Monster Mash/Bobby “Boris” Pickett/62.10.20-27(2)
- He’s a Rebel/the Crystals/62.11.03-10(2)
- Big Girls Don’t Cry 恋はヤセがまん/the Four Seasons/62.11.17-12.15(5)
- Telster/the Tornadoes/62.12.22-63.01.05(3)
1962年 年間TOP10
- 3位.Mashed Potato Time/Dee Dee Sharp (最高2位)
- 8位.Let Me In/the Sensations (最高4位)
この年の最初のNo.1は、チャビー・チェッカーのThe Twistで、これはなんと1960年から1年以上も間を空けての再登場1位です。
続く2曲目の1位も、Peppermint Twistで、ツイストが2曲続けてNo.1になりました。
歴史は繰り返す云々、という名言がありますが、ツイストの場合には、「一度目は流行として、二度目は定着として」ではないでしょうか。
この60数年で、チャチャ、モンキー、ジェンカ、ブレーク、ヨサコイなど様々なダンスが流行しましたが、今でも根強く残っているのはツイストだけ、といえませんか。
実際、私が踊れるのはツイストとチークだけです(苦笑)
もう一つがフォー・シーズンズの登場。
下積みは長かったらしいですが、シェリーと、恋はヤセがまんの2曲でいきなりブレーク。
その後10年以上に渡って、アメリカポップス界を代表するグループとなります。
彼等(ばかりではありませんが)のギター×2、キーボード、ドラムスというスタイルは多くのロックグループの標準編成として、現在に至るまで引き継がれてきました。
逆の象徴がプレスリーの凋落。
1956年のハート・ブレイク・ホテルから始まって、毎年ヒットを飛ばしてきた彼ですが、この年のグッド・ラック・チャームで一旦1位の座を明け渡すことになりますが、7年後の1969年11月1日に、Suspicious Mindsで返り咲きます。これが最後の1位ですが、まさに奇跡の復活、ですね。
猛反撃を喰らうかも知れませんが、ロカビリー、ロックンロール、ツイストという流れは、”ロック”という真打ちが登場する前の”前座”のようなものであったように思います。
上で述べたように、「ダンスとしてのツイスト」は完全に定着するのですが、「楽曲としてのツイスト」は急速に消えていきます。(曲名にTwistが入る最後のヒット曲は、ビートルズのTwist and Shout、1964年です。)
インストルメンタルはこの年も好調で、白い渚のブルースに、ストリッパーという後世に残る名曲が生まれています。
また最高2位ですが、「モスコーの夜はふけて」という名曲もあります。
もう一つのNo.1インストルメンタル曲が、トルネイドーズのテルスターです。
これは「全米No.1になった最初のイギリス曲」としても重大事件です。この曲にはオルガンと共に「クラヴィオリン」という名前の電子楽器が使われていることもまた注目すべきではないかと思います。
クラヴィオリンは、1961年のデル・シャノン「悲しき街角」にも使われていたそうで、電子音を使うというのは当時の流行の一つでした。フランク永井の「有楽町で逢いましょう」(1956年)にも使われているとか。
キーボードやシンセサイザーもクラヴィオリンの延長にあるのかも知れません。
もう一つテルスターで忘れてはならないのが、これが「エレキブーム」に火を付けた、ということです。
すでにベンチャーズは「急がば廻れ(ウォーク・ドント・ラン)」で1960年に全米2位になっていましたが、その後はたいしたヒットがなかったものが、この曲のカバーによって不動の人気を獲得することになります。
ギター少年ならずとも、誰しもがあの”テケテケテケテケ”に憧れたのではないでしょうか。
この年は私的に”当たり年”で、「ジョニー・エンジェル」「愛さずにはいられない」キング・コールの「ランブリン・ローズ」(最高2位)など好きな曲がたくさんありますが……。
ロックの先駆けとなった重要な曲、ということで、Telsterのthe Tornadoes。
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