ポップスを語るとき、米ビルボードの影響を無視はできないでしょう。
初期には「キャッシュボックス」もアメリカンポップスファンには有名な存在で、どちらのチャートの方に信頼性があるのかといった議論も交わされましたが、今では商売上手だったビルボードの天下になってしまったようです。
ビルボードのチャートは、「アメリカンTop40」とか「全米Top40」のような名称で日本のラジオ放送に登場してきました。 以前はWebサイトで、「ビルボードの歴史」とか「~の功罪」といった文章を読むことができたのですが、最近はあまり見当たりません。 ウィキにも歴史はあまり書かれていません。
ラジオ放送ではFM東京、NHK-FMなどで聞いた覚えがあります。 NHK-FMでは、40位までの中から、主に初登場の10曲くらいを選んで掛けるというスタイルでしたが、番組名もDJも忘れてしまいました。
重要なのは、雑誌「FMファン」にチャートが転載されていたことです。 これには日本盤レコードの型録番号も記載されたので、レコード購入に役立ちました。 ただ、ときどき(主に年末年始)チャートのページが抜けるのには困りました。 それをデータとして記録するため、PC9801を買いました。
今は、ビルボードサイト上で、過去の「HOT 100」を全て見ることができます。
「HOT 100」が始まったのは、1958年8月4日からですが、ビルボードのウィークリーチャートは、1955年の「TOP 100」から始まっています。 その前にもチャートはあったようですが、不定期で、統一性もなかったらしいです。しかし残念ながら、billboard.comには今のところ「TOP 100」は載っていません。
音楽の視聴方法が配信やサブスクリプションサービスに変化する中、もうビルボードはその役割を終えたと思いますが、”変わらない夢を見たがる者”の一人として、”古き良き時代”の名曲を、その年のNo.1曲の中から選んで紹介しようと思います。
1955年 週間1位
※通し番号.曲名 邦題/アーティスト/No.1の日付(No.1の週数)/年間順位- Love Is a Many-Splendored Thing 慕情/The Four Aces/55.11.12-26(3)/7位
- Sixteen Tons 16トン/Tennessee Ernie Ford/55.12.3-56.1.7(6)
1955年 年間TOP10
※上記の週間1位曲以外の年間TOP10- 1位.Cherry Pink and Apple Blossom White チェリー・ピンク・チャチャ(セレソ・ローサ)/Perez ‘Prez’ Prado (and His Orchestra)
- 2位.(We’re Gonna) Rock Around the Clock ロック・アラウンド・ザ・クロック/Bill Haley (and His Comets)
- 3位.The Yellow Rose of Texas テキサスの黄色いバラ/Mitch Miller (and His Orchestra and Chorus)
- 4位.Autumn Leaves 枯葉/Roger Williams (at the Piano)
- 5位.Unchained Melody/Les Baxter (Orchestra and Chorus)
- 6位.The Ballad of Davy Crockett デヴィー・クロケットの唄/Bill Hayes
- 8位.Sincerely/the McGuire Sisters
- 9位.Ain’t That a Shame 悪いのはあなた/Pat Boone
- 10位.Dance with Me Henry/Georgia Gibbs
2曲しかないわけですが……これはもう、コレ!
言わずと知れた、映画「慕情」の主題歌ですが、映画はインストルメンタルと無名(?)のコーラスで、Four Acesのはサントラではありません。
この映画で描かれた香港は66年後の世界、そしてこれから、どのように変化していくのでしょう?
ともあれ、ムカシも今も、映画音楽は強い!!
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