70-80年代アイドル・芸能・サブカル考察サイト

伊藤麻衣子『危ない感傷』

発売日 1983.12.21
作詞 売野雅勇
作曲 岩里未央
編曲 馬飼野康二

今年も残すところ約二ヶ月。昔ほどの盛り上がりはないにしろ年末に向け賞レースが始まります。誰がレコ大を受賞するのでしょう?増してや新人賞は?そこで今回はその昔実はレコ大新人賞ノミネートを辞退していた伊藤麻衣子(いとうまい子)の4thシングル「危ない感傷」(オリコン最高位50位、売上2.2万枚)をご紹介します。

作詞は「Say Yes!」、「約束」の売野雅勇。彼お得意の先に目覚めてしまった女の子の歌で唇フェチがテーマです。出だしの“唇の結び目で目覚めた春”という表現は今聞いても新鮮に思います。そしてこの曲のキモはサビの最後の“唇にまだあなたがいるの”ではないでしょうか?デビュー以来彼女のシングルを手掛けてきた売野ワールドの集大成だと思います。

作曲は「さよならの物語」「青い夏のエピローグ」の岩里未央。北原佐和子にも瓜3つな「さむい夏」を書いていました。他に「大和撫子“春”咲きます」があります。作詞家:岩里祐穂とは姉妹でしょうか?(※違いましたね<筆者>)最近は未央さんの方はクレジットで見かけません。
「危ない感傷」はA-A”-B-サビ-Dとストレートな構成です。特にサビからがスリリングでキャッチー。「あゝ 危ない×3 感傷」の部分は一度聴いただけで覚えられると思います。

そしてこの曲が大ヒットしなかった最大の原因、つまらない編曲をしたのは「だけど…」、「わがまま金曜日」の馬飼野康二。彼にしては手抜きとしか言えません。

萩田光雄の歌謡ロックならこんなもんじゃないでしょう。薄っぺらでチープな所が嫌いです。特に何の取っ掛かりがないリズム隊は聴いていて退屈。もっとギターをフューチャーするとかストリングスで盛り上げるとか、何かしようがあるはずです。歌詞とメロが良いだけに大変悔やまれます。

ボーカルは当時結構上手だと思っていたのですが、今CDで冷静に聴くとかなり甘いです。鼻に掛かった平たい声質で、舌が余っているのかサ行とラ行が少々気になります(彼女の「る」は松田の「とぅ」工藤の「りゅ」大黒の「にゅ」に続く、新種「ぬぅ」です)。ややリズムが重いのか2番で一箇所入り(「過ぎるさ」の部分)が気になります。でも語尾の揺れ方がとても微妙で何とも魅惑的です。

結局歌手より女優業がメインとなる訳ですが、ハイティーンでのデビューは彼女のタヌキ顔のルックスをしても何ともし難く、またS57(1982)年組の翌年のブレイクの煽りを食ったとしか言えません。(『BEST COLLECTION』伊藤麻衣子)

 heaven and earth
 

情報提供・コメント

タイトルとURLをコピーしました