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伊藤智恵理『雨に消えたあいつ』

伊藤智恵理『雨に消えたあいつ』
コメント
発売日 1987.11.06
作詞 戸沢暢美
作曲 岸正之
編曲 新川博

先日TOWERレコードで買い物する機会があったのですが、その時貰った冊子「TOWER」NO.32に4月11日リリースのChieriのファーストアルバムの記事が載っていました。そこで今回は彼女の十代の姿である伊藤智恵理の3rd.シングル「雨に消えたあいつ」をご紹介します(オリコン最高位22位、売上2.0万枚)

作詞は戸沢暢美。デビュー曲からこの曲までシングルを手掛けており、2nd.シングル「トキメキがいたくて」に続く作曲:岸正之とのコンビです。南野陽子「話しかけたかった」もこのコンビです。歌詞は大好きな男の子から友達にしか思われず、他の娘の恋の手助けをする振りをする何とも物哀しいストーリーです。でも雨の中見送る彼に一字違えた電話番号を渡す辺りは意地らしくて痛快です。

メロディーはどメジャーベースの8ビート。構成はA-A”-B-C-C”。所々にマイナー展開を含んだメロディーで切なさをぐっと盛り上げます。サビからのメロディーは林哲司風でもあり(元々作風が似ている)、国安わたる作曲「もう君の名前も呼べない」にも似ています。スコーんと抜けるというより、聴いてしみじみといった雰囲気です。

編曲は新川博。「悲しみモニュメント」、「真剣」等のアレンジも手掛けています。最近はデジアナ系のアレンジもしていますが、この頃は打ち込み中心のサウンドを作り出していました。サビと同じ歌詞&メロのコーラスから始まりますが、全体に渡り洒落たコーラスワークになっています。

ただ戴けないのがリズム隊。音色的には悪くはないですが、おかず的にも盛り上がりに欠け、淡々と進んでしまいます。特にサビ前の取っ掛かりはつまらないです。行けそうで行けない、そんな感じです。イントロや間奏も派手な主旋律が無いのでぼやけています。

ボーカルは優等生の印象。それ故にしなやかさに欠けるというか色気がありません。楽譜通りに歌うだけでは心ひかれません。楽譜通り歌えない人も居りますが…。

それからさ行と「つ」の発音で舌の先が割れるような感じがするのがちょっと気になります。でも伸びやかな声質の素直なボーカルには清々しい若さが溢れています。歌詞も聴き取り易いです。

アイドル女優と平行して歌手活動を行っていた彼女ですが、歌手としては大ブレイク出来ませんでした。スタイリッシュな感じはしたもののルックスに華がないというか、目元のショボさが少々貧乏臭さを漂わせています。
今回のアルバムのジャケ写を見ていると、顔つきもだいぶ力強い感じになりました。眉が細くなったのは時代か。新生Chieri、頑張って下さい。(『HELLO』伊藤智恵理)

 heaven and earth

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情報提供・コメント

  1. もっちゃん より:

    自分が大学時代、伊藤智恵理さんのファンでした。歌が上手なアイドルだったなぁという印象があり、当時はCDも買いました。
    今でもあの伸びやかな歌声が印象に残っています。またスタイルも抜群に良かったアイドルでしたね。
    最近は、どうされているのか分かりませんが、またテレビであの素敵な歌声を聞きたいです(^_^)出てくれないかなぁ~?

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