モノローグ 始まりと終わり 「私はこうしてここにいる」この表現の中にはいくつもの謎が含まれている。私という存在は一体誰なんだろう。こことは何処なんだろうか。また、いるとはどういう状態を示したときにそう呼ばれるのだろうか。 超新星の塵芥を集めて原始太陽系が創造され、その... 2012.09.01 2019.01.13 モノローグ
モノローグ 様々な出逢い 我々は生命ヒエラルキーという幻想建造物の最上階で一人浮かれながら孤独の舞を踊っている。この建造物にはプロトクチスト界、動物界、菌界、植物界、そして、原核生物界がそれぞれ何の繋がりもないまま固有の生命活動を続ける各階があり、我々は四角い画面か... 2012.08.09 2019.01.13 モノローグ
モノローグ Shall we dance? 精密に重なり合った二重螺旋構造の踊り場で、染色体がダンスをしている。 振り付けは歓喜と悲哀に満ちた装いを表現し、いつ果てるともなく続いてきた。素敵な出逢いと喜び、高鳴る鼓動、燃え上がる一瞬を象徴する調べに合わせて踊りが続き、そして時には悲し... 2012.08.03 2019.01.13 モノローグ
モノローグ 浴衣姿の歌声 毎年恒例の夏祭りに足を運んだ。日本人なら誰もが耳にしたことがあるナンとか音頭があちこちの拡声器から降っている。妙に懐かしい節回しだ。陽気な笑い声を上げながら花火をしている子供たち。境内に続く石畳に沿って軒を連ねた出店の数々。いくつになっても... 2012.08.01 2019.01.13 モノローグ
モノローグ 一日遅れの七夕(形而下の出逢い) 小さな瞬きのようなたくさんの星々が天空に呼び集められた。ずっとそこにあったように大河は生まれ、横たわり、息をひそめながら対岸で星祭の準備が整えられる。 羽衣は祭壇の祀りに呼び覚まされ、「古詩十九編」に倣って厳かに天空に舞い上がった。舞いは大... 2012.07.08 2019.01.13 モノローグ
モノローグ かくされた記憶 今年も早いものでもう6月。半年が過ぎようとしている。あなたがこれを読んでいるときにはもう年が変わっているかも知れない。 最近テレビの「あの人は今?」系の番組をついつい観てしまう。懐かしい曲が流れて、郷愁に浸っている自分を発見し、いよいよ私も... 2012.06.13 2019.01.13 モノローグ
モノローグ 秩序形成構造 インターネットでは買収・合併・提携のニュースが飛び交っている。こういった現象を片隅から見詰めていると、カッコウやアリの社会が彷彿と浮かびあがってくる。 カッコウにみられる托卵鳥の行動は、その里親の役を命ぜられた親鳥に、我が子を巣の外に蹴落と... 2012.05.13 2019.01.13 モノローグ
モノローグ 獅子座と天秤座 人間社会という秩序形成構造は見えないジーンが築き上げてきた。その中で我々は、自分の存在や自意識を確認するかのように学問、文化を夢想し続けた。彼らは我々にそれを許し、与えた。累積的に蓄積されるプールの水位を高めると判断したのだろうか。 無数に... 2012.04.16 2019.01.04 モノローグ
モノローグ 視線 あなたの微笑み、眉を上げて見つめる大きな視線。静かに首を傾げ、視線を外した。 見知らぬ遠い過去から送られてきたこのサインは、築き上げてきた識閾下の鋳型に収まり、風景を変貌させる。交わした視線は全てを予感させた。数百万年前の視線が、神経回路を... 2012.04.14 2019.01.04 モノローグ