70-80年代アイドル・芸能・サブカル考察サイト

80年代カラオケ対決に垣間見えたもの

80年代カラオケ対決に垣間見えたもの
コメント

テレビ朝日の番組「関ジャニの仕分け∞」でカラオケの得点を競うコーナーが面白い。
歌唱力に定評のあるベテラン歌手と番組が誇る次世代歌うま選抜の仕分け軍団が、歌手本人の持ち歌をカラオケで歌い合い、歌のうまさを競い合う企画。仕分け軍団には、May J.を筆頭に若手だが歌唱力の優れた強敵たちが集結し、スタジオで生歌を熱唱する。ゲストの歌手も侮れない雰囲気を感じ取り、真剣勝負を挑む姿についつい見入ってしまう。

審査基準はカラオケ機の精密採点方式を用い、音程、ビブラート、しゃくりといった歌唱法によって得点は忠実に加点されるため、視聴者の我々には心地よく聞こえる歌手の長年培ってきた歌い癖も、採点機械には音程が外れただけのマイナスポイントと見なされ、たとえ大御所歌手でも判定結果には素直に従わざるを得ないという仕組みだ。

先日この番組で昭和歌謡SPと題した企画があり、石川ひとみ、五十嵐浩晃、庄野真代、堀江淳がゲスト出演した。歌手の方々は、70-80年代に活躍し、今では皆さん50代である。歌唱力は衰えていないのか、往年の音域が出るのか、といったところが見どころ。
また、聞き慣れた曲が、仕分け軍団の違った歌声で聴けるというのも楽しみの一つ。それが抜群の歌唱力なら尚更である。

カラオケ対戦曲は、

  • May J. VS 石川ひとみ 『まちぶせ』
  • 川上大輔 VS 堀江淳 『水割りをください』
  • 篠崎愛 VS 庄野真代 『飛んでイスタンブール』
  • ビューティーこくぶ VS 五十嵐浩晃 『ペガサスの朝』

対戦結果は仕分け軍団の圧勝で、五十嵐浩晃だけが僅差で勝利。
私が注目した対戦カードは、石川ひとみのまちぶせ。

石川ひとみのまちぶせは、本人も番組内で「大切な歌」と言っていた通り、彼女の代表曲であり、アイドル時代の白い衣装ドレスを着た姿を彷彿とさせる懐かしソングだが、実はカバー曲。石川ひとみ版を遡ること5年前の1976年にリリースした同じ事務所の三木聖子がオリジナル。確か三木聖子ご本人の体験を元に荒井由実時代のユーミンが作詞、作曲した歌である。
いつの時代も名曲は変わらぬもので、この曲は1996年に國府田マリ子がリメイク、ユーミンもセルフカバーしている。

石川ひとみのまちぶせはヒットし、次のシングル曲で私の郷愁ソングに名を連ねる「三枚の写真」も三木聖子のリメイクである。

一時期病気で療養していたと聞くが、久しぶりの歌声は当時と変わりないものだった。
サビの高音で音程外さないかなと冷や冷やしながら聞いていた。聞き終わると、懐かしさや安堵感といった感情がやってきたが、その中には少しだけ過ぎ去った時間に対する寂寥感も潜んでいた。




情報提供・コメント

タイトルとURLをコピーしました