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山口百恵『夢先案内人』

夢先案内人
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発売日 1977.04.01
作詞 阿木燿子
作曲 宇崎竜童
編曲 萩田光雄

山口百恵の「夢先案内人」は1977年にリリース。オリコン最高位1位。第6回東京音楽祭世界大会銅賞、第3回日本テレビ音楽祭トップ・アイドル賞を受賞しています。
この曲は月や太陽、空の表現が多く、ロマンチックな雰囲気を醸し出したポエティックな世界観の中、物語の主人公たちが新しい一日を迎え、夢や愛、幸福感を追い求めています。

「夢先案内人」の作詞を手がけた阿木燿子の特徴は、繊細で詩的な表現です。彼女の歌詞は、シンプルな言葉で描かれながらも、深い感情や思いが込められているので、聴く者の心を強く打つのです。「夢先案内人」でも、夢を追いかける人々を励ますような勇気あるメッセージが込められています。
それと同時にこの歌詞には一人称の少女視点で物語が展開され、夢見る気持ちや月夜の海や星空の下で恋人と過ごす幸せなひとときを描いています。

また、比喩を多用しており、詩的で美しい言葉選びがされています。
「ワインこぼした色に染めてゆく」、「朝は半分ビロード製の幕上げて」や「三日月模様 空が尖って」などです。
サビの部分、「Wink and Kiss」と「夜明け前」は、二人の恋の駆け引きや甘い雰囲気を表しています。
「Wink and Kiss」は、あなたが私に送る小さな合図で、愛情やいたずら心を示しています。あなたのWink and Kissに微笑みながら、肩をすくめて見せます。これは、あなたの気持ちを受け入れていると同時に、恥ずかしさや戸惑いを感じていることを表しています。
「夜明け前」は、二人が過ごす時間が限られていることを示しています。夜明けが近づくと、夢は終わってしまうので、あなたとのひとときを大切にしたいと思っています。しかし、夜明け前は、眠気もあってか、二人の気持ちもぼやけてしまうこともあるようです。

「夢先案内人」の作曲を手がけた宇崎竜童の特徴は、ジャズやブルースなどの要素を取り入れた独自の音楽性です。彼は、日本のロック・フォーク・ニューミュージックシーンを牽引する存在のひとりとして知られており、独特な音楽性で多くのファンを魅了しています。
この曲にも宇崎竜童の独自性が反映されています。
特に、ジャズやブルースの要素が感じられるフレーズが多数含まれています。
例えば、イントロ部分のギター演奏によって美しい旋律が奏でられ、曲全体にドラマティックなムードを醸し出し、その後、バンドアンサンブルの演奏によって一転して情感あふれるメロディーに変化します。
同じフレーズが繰り返されるAメロ、Bメロ、間奏という曲構成ですが、ストリングスのアレンジによって曲のクライマックスが迎えられ、より深い感動を生み出しています。

「夢先案内人」の編曲を手がけた萩田光雄の特徴は、豊かな音色やアレンジのバリエーションを駆使した表現力です。彼は、数多くのアーティストの楽曲を手がけており、その中でも特に、緻密なアレンジメントで有名です。
「夢先案内人」も豊かな音色やアレンジのバリエーションが随所に見られます。例えば、ストリングスやブラスのアレンジは、夢や希望に向かって進む人々の背中を押すような力強さを持っています。

「夢先案内人」は、作詞・作曲・編曲という3つの要素が見事に融合した素晴らしい楽曲です。山口百恵の力強い歌声とキャッチーなメロディーに加え、阿木燿子氏の強いメッセージ性、宇崎竜童氏の洗練された作曲、萩田光雄氏の見事な編曲が、多くの人々に愛され続ける名曲へと昇華しました。

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