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山瀬まみ『セシリア・Bの片想い』

山瀬まみ『セシリア・Bの片想い』
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発売日 1986.06.21
作詞 松本隆
作曲 宮城伸一郎
編曲 船山基紀

昔は確か8月頃“日本テレビ音楽祭”があって賞レースの火蓋が切って落とされました。春デビューした新人はデビュー曲以上に難しい第2弾で臨む季節です。数ある第2弾シングルの中から紹介するのは山瀬まみ「セシリア・Bの片想い」(オリコン最高位28位、売上2.0万枚)です。

作詞は最近久しぶりに1位を取った松本隆。この頃はバリバリのアイドル達に詞を提供しまくっていました。主題は片想いですが何故主人公が”セシリア・B”なのか判りません。女の子のくちびるが好きな松本隆らしくこの曲でも登場します。無理にKISSされた「乙女日和」や男の子をぶった「タンポポの草原」とは反対で、♪なぜあの時にくちづけ奪わなかったの?の「手編みのプレゼント」と同じに、♪くちびるに触れたのは風、と寂しい結末になっています。また、セシリアは林檎の木に登りますが、樫の木に登るのは「タンポポの草原」です。

作曲は別居騒動で話題の芳本美代子「アプリコット・キッス」(作詞は勿論松本隆!)の宮城伸一郎。この人は確かチューリップのメンバーだったと思います。構成はシンプルにA-B-C。動機は乱高下気味に入り後は下から上がって行くのがこの曲の特徴ですが、全体的にメロが潜っている印象を受けます。細かい符割のない大らかなメロです。サビは短いだけにすかっと盛り上がって欲しかったです。洒落た仕上がりになっているだけに惜しまれます。ごきげんな編曲は「かもめが翔んだ日」、「プリティプリティ」の船山基紀。セシリアの彼は汽車で旅立ってしまいますが、LOCO-MOTION具合がテケテケと実に良く表現されています。デジタルな味付けがまさにS60年代のアイドルPOPSしてます。

ボーカルは下手ではないと思います。舌の両端が浮いたような感じでうなり&しゃくりあげる山瀬節です。個性的で少し聞いただけですぐ分かるのは大切な事ですが、それが魅力かというと?です。ちょっと力みすぎではないでしょうか?ルックスも実際見たら可愛いのだろうけど、さほどでは無い気がします。僕個人としてはデビュー曲よりよっぽど好きなのですが、セールス的には今ひとつでした。この後リリースする曲もあまり恵まれたとは思えないのですが、マルチタレントとして現在も活躍する山瀬まみにはそれだけの芸能人としての魅力があるのでしょう。(『PRIVATE EDITION』山瀬マミ)

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