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渡辺典子『少年ケニヤ』

花の色
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発売日 1984.01.01
作詞 阿木耀子
作曲 宇崎竜童
編曲 萩田光雄

今回はコロムビアつながりで渡辺典子の両A面シングルのデビュー曲「少年ケニヤ」をご紹介したいと思います(オリコン最高位9位、売上23.0万枚)

タイトル通りアニメーション映画「少年ケニヤ」の主題歌で、カップリングは「花の色」でした。この作家トリオでは「晴れ、ときどき殺人」「カムイの剣」などのシングルも残しています。
作詞は阿木耀子。主題歌と言う事もあって映画に引っ張られた内容。自分の心の叫びなのか、誰かに対する呼び掛けなのか、思い切りぼかした作り。サビの歌詞は大した事無いけど、1番の出だしの2行は凄い躍動感にあふれています。

作曲は宇崎竜童。珍しい6/8のマイナーなメロディー。畳み込みかけるAメロとBメロが好きです。様々な動機が出て来ますが、とっちらかった印象はありません。結構リズムに乗って歌うのは慣れるまで難しいと思います。逆にサビ・Dメロは割とゆったり目。リフレインは一度聴けば覚えられる取っつきやすさがあります。

アレンジはエスニック物で真骨頂を発揮する萩田光雄。ヘッドフォンで耳を澄ますと、これは何て楽器?というのが随所に出てきます。まずリズム隊が凝っています。普通のドラム+エスニックの鳴り物が響きまくり、ストリングス、ギター、コーラスともに凄く洒落ています。かといってデジタルな物も取り入れており、誰も真似出来ない味わいです。
ボーカルは杉浦尚美系の頭声。小川範子と同じくちょっとパンチが無いのが物足りませんが、しっとり歌い上げています。この曲で言えば多少不安定さも有りますが、女優の片手間と言う感じはなく、意欲的に取り組んでいる歌声のように思えます。

自ら主演する映画の主題歌をタイアップに付けながら、角川3姉妹の中では女優・歌手とも地味目にこなしていた彼女ですが、ちょっと大人っぽい分アイドル性が足りなかったかも。3曲目の「いつか誰かが…」以降セールスは伸び悩みました。(『角川映画メモリアル』オムニバス)

 heaven and earth

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