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沢田玉恵『紫外線』

沢田玉恵『紫外線』
発売日 1986.07.21
作詞 松本隆
作曲 筒美京平
編曲 船山基紀

最近の筒美京平ブームで各社からオムニバスアルバムがリリースされ、何曲か懐かしいナンバーも聴けるようになりましたが、なんでこの曲が収録されないの?って曲もあります。そんな曲の一つに沢田玉恵「花の精-私のON AIR-」があるのですが、今回は彼女のセカンドシングル「紫外線」をご紹介します(オリコンTOP100ランクインせず)

作詞:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:船山基紀のトリオでアイドルの王道を行っています。

歌詞は松本隆お得意の幻想世界ではありませんが、男の視線をテーマに15歳位の女の子にしては非日常を歌っています。男と乗ったヨットのデッキで寝そべる彼女は何者でしょうか?そして“紫外線 視線がいい線 紫外線 意外に少年”と珍しく韻を踏んでいる歌詞が出てきます。果たしてこれはありなのか…。僕は見ていてちょっと恥ずかしくなります(ダサくないですか?)でも2番に出てくる“わかんないけど~”の「ら」ではない「ん」に職人としての心意気を感じます。

メロディーはいかにもの京平節。歌詞はA・B・Cブロックと別れていますが、その中で幾つもの動機が現れるテンション系の音を多用した仕掛けの多いメロディーです。逆に言うとやや散漫。ここだっ!という生理的に突き抜けるサビのメロディーは残念ながら見当たりません。この曲が売れなかった原因はこの辺りか。Bメロの“好き 嫌い”の後の変調子にも、らしさがたっぷりです。

編曲の船山基紀も真骨頂を発揮。シンバルを16で刻みゴージャスなシンセサウンドはラテンフレーバーで仕上げ、めまぐるしく変化する京平節を引き立てています。わかり易く言えば沢田玉恵版「生意気」(by中山美穂)でしょうか。森川由加里が歌う筒美京平作品にも近い物があります。

ボーカルは上手いようでそこそこ。透明感のある声質ですが中~低音のふてぶてしさが最高です。突き放すような貫禄たっぷりな歌いっぷりもGood。
ただ高音部やファルセットの力強さに欠けるのが惜しいです。あと“ちょっと待って”の音符が詰まる所のリズムが甘いのが少々気持ち悪いです。でもまだ若いのだからまだまだこれから、と思っている間に宮本輝の「蛍川」の映画出演を最後に芸能界から姿を消しました。

ソニー酒井のプロジェクトでしたがその幕切れはあっけない物でした。水が合わなかったのか、トラブルがあったのか真相は知りませんが、シングル2枚を残し愛知県産ドロップアイドル水谷麻里の先駈けとなりました。(from『スーパー・アイドル・ヒット!』オムニバス)

 heaven and earth
 


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