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中山美穂『クローズ・アップ』

中山美穂『クローズ・アップ』
発売日 1986.05.16
作詞 松本隆
作曲 財津和夫
編曲 大村雅朗

歌詞とは裏腹に、地味なアレンジで存在感に欠ける作品

今回は松本隆&財津和夫という、松田聖子でお馴染みのコンビ。
このコンビはこの頃、芳本美代子にも数曲提供している。
さらに松本は、同時期に山瀬まみにも、やはり聖子でお馴染みだった呉田軽穂(ユーミン)とのコンビで楽曲提供している。

当時聖子は結婚休業中だったが、こうした現象って、なんだか地主に無断で勝手に土地に入り込んで、温泉でも掘り当てようと目論む、山師的発想だと思うが。ゴールドラッシュか?猟解禁か?よく判んないけど。
まぁ実質的な権利者は聖子じゃなく、松本なのだから、こうした乱開発(?)も全て彼の采配なんだろうけどさ。

それはともかく、まずは曲。
曲作りにおいて、財津和夫という人は、チューリップ「青春の影」「心の旅」に代表される”メロディ重視型”と、「虹とスニーカーの頃」に代表される”リズム重視型”の二極化傾向にあると思う。
ココでは、その両方をブレンドさせたような作りをしている。
全体的にはメジャー調で、「A→A→サビ」という、聖子作品でも常套のシンプルなメロディ展開だ。
それぞれのパートもキャッチーで、なかなか覚え易い旋律である。

一方ではリズミカルな作りもしていて、歌い出し♪YOU~ での唐突なリズムブレイクとか、♪Close up~ や、♪存在感 大きな人ね~ の箇所での”タメ”など、いろんな仕掛けを施してある。
覚え易いうえにノリ易い、曲作りに関しては文句なしだ。

歌詞は前作「色・ホワイトブレンド」の成功を受けて、大人びた内容になっている。

 ♪髪の滴が色っぽいでしょ~ ♪過激なポーズしてあげる~
などなど、異性を挑発するような”艶っぽさ”も全面に押し出している。
そこそこメロディに上手く言葉を嵌めこんではいるが、
 ♪人気をひとりじめよ~ ♪恋の熱は~ の部分がちょっと無理アリ。

しかし、全体のコンセプトが美穂のイメージ、リリース時の季節感と程好くマッチしていて、そんなに悪くない出来だ。

歌詞・曲はいずれも問題ないのだが、アレンジが今一つ。
聖子作品で常連の大村雅朗が担当しているが、同じ聖子で財津と組んだ「チェリー・ブラッサム」「夏の扉」のような派手さ・華やかさに欠けるのだ。

「クローズ・アップ」というタイトル通り、まるで焦点を絞ったかのように、タイトなサウンド作りをしている。
打ちこみ系だけどシンプルなリズムセクションだし、シンセ類は低音域で、ベースラインを強調していて、全体的に低音強調傾向だ。それでいて、得意のブラスもおとなしめだし、コーラスも地味。
マラカスっぽいパーカッションの導入で、夏らしさを醸し出そうとしているものの、いつもの疾走感・高揚感が不足していて、物足りないアレンジだ。
♪存在感キラキラでしょ~ と言われても、このアレンジのおかげで、存在感が希薄な作品になってしまった。
この作品、アレンジがもっとイカしてたら、彼女の代表作に成り得たのでは?(1999.12.28)

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