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中森明菜『北ウイング』

北ウイング
発売日 1984.01.01
作詞 康珍化
作曲 林哲司
編曲 林哲司

傑作だが「明菜ならでは」の必然性に欠ける作品

なかなかの傑作である。歌詞・曲・アレンジ、全ての面でGOOD。
さらに、明菜の歌唱力もUPしてきたし。
♪ぅぁぁあああ~~・・・といった、彼女独自のビブラート唱法がこの作品で開花したのでは?

まず歌詞だが、内容は「全てを捨てて、愛する男を海外まで追いかける」、という一途な女をテーマにしていて、いわゆる「脱・アイドル志向」がこの歌から顕著になってることは誰の目にも明らか。
空港を舞台にしているのも、テレサ・テン「空港」・青江美奈「国際線待合室」・ちあきなおみ「夜間飛行」等の先人に学んで、アダルト志向の追及とも思える。
まぁ言いかえれば、「脱・アイドル志向」と引き換えに、明菜のキャラクターには全く頼らない歌詞作りをしているのだ。
「誰が歌っても同じ」とは言わないが、やや陰のある女性歌手であれば、他の人が歌っても違和感の無い歌詞だと思う。

そして曲。すごくいいメロディだと思う。
歌詞の内容にマッチした、夜のムードを感じさせる、それでいて「飛行機で愛する人を海外まで追いかける」ことを表現し得るスピード感・スケール感もあるし。アレンジもキチンとそれに追従している。
ただ、頭サビで始まり、低音域から高音域へ歌い上げるというのは、典型的な林哲司の作曲パターンではあるが。
まぁ林哲司の曲ってコレに限らず、彼独自の黄金パターンに嵌まると、「作曲家・林哲司」の個性が強く出てしまい、どの曲も同じようになってしまう傾向があるのは否めない。となると、曲が歌い手を選ばなくなって来るのだ。
極端な話、菊池桃子があの歌唱で「北ウィング」を歌っても、明菜とイメージは全く異なるだろうが、違和感は無いはずだ。

かように、スターとしてのスケール感は出ている傑作だけど、「明菜ならでは」の必然性には欠ける作品である。
むしろ、カップリングの「リフレイン」(のちに両A面扱いになる)のほうが、明菜らしい作品だと思う。

それはそうと、この「北ウィング」という絶妙なタイトル。
制作会議の席で、明菜自身が歌詞から引用して提案したものが採用されたのだとか。ホントだろうか?(1999.11.19)

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