岩崎宏美『ドリーム』

岩崎宏美『ドリーム』
発売日 1976.11.05
作詞 阿久悠
作曲 筒美京平
編曲 筒美京平

前回に引き続き筒美京平第2弾です。今回はもう一人のヒロリン岩崎宏美の7th.シングル「ドリーム」をご紹介します(オリコン最高位4位、売上29.7万枚)。日頃歌唱力にはこだわらない僕がこれは凄いかもしれないと思った曲です。

作詞はデビューから手掛けている阿久悠。筒美京平とのコンビ作には「ひとり歩き」、「夏八景」等があります。歌詞は岩井小百合「ドリーム×3」同様夢見る夢子ちゃん状態ですがヒロリンの方が落ち着いています。♪~といわれたらどんなにかいいでしょう、というのがこの歌詞の肝で、リフレイン前では♪ああ夢かしら、とオチまで付いています。
阿久悠のシンメトリーな作りにしては硬い言葉づかいも無く、さわやかな出来栄えです。

作・編曲は筒美京平。太田裕美とは反対に初期の筒美作品のほとんどをアレンジしています。筒美京平が作・編曲を手掛けている物に「色づく街」、「赤い風船」等があります。メロディーはA-A”-B-A””-C-サビの変わった作りでリフレイン前にEメロが出てきます。
ややミディアムテンポの16ビートでこの頃の筒美京平のアイドル作品としては冒険的かもしれません。 芸の細やかなメロディーの運びで、詞先かどうか解りませんが、歌詞のハマリもバッチリです。

アレンジはエレピとアコギでリズムを細かく刻みグルーブを出しています。リズム隊もドラム以外のパーカッションが鳴り渡っています。ストリングスも彩り程度で上品な仕上がりとなっています。
そして僕が珍しくホメちぎるボーカルとは…。

(1)上手だけど太くない。歌手も長くやってれば声が太くなるのも当然ですが、その分可愛気も無くなるもんです。次作「想い出の樹の下で」では突き抜けた感のあるヒロリンですので一番旬な声でしょう。また少々お疲れ的なハスキーボイスも色香を漂わせています。

(2)ナチュラル#がない。(1)に共通しますが上手いと言われる人ほどビブラート掛けると#します。まだこの頃は増幅が狭いようでいい感じのビブラートが掛かっています。

(3)語尾の使い分けが素晴らしい。サビからの長音部分で「しゃくりあげ」「ビブラート」「ノンビブラート」「ビブラート」と表情を付けています。これが完璧に歌詞とメロにハマるんです。ディレクターの細かな指示があったと思うのですが、それに応えるヒロリンの技量が凄いです。またこれとは別に2番の♪し“ん~”じないからー、は聴き所の一つです。(『ベストセレクション』岩崎宏美、他)

 heaven and earth

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