70-80年代アイドル・芸能・サブカル考察サイト

児島未散『セプテンバー物語』

児島未散
コメント
発売日 1985.07.24
作詞 松本隆
作曲 林哲司
編曲 新川博

松本隆も相変わらず頑張ってるなぁ、ということで今回ご紹介するのは児島未散のデビュー曲「セプテンバー物語」(オリコンTOP100チャートインせず)です。タイトルの読みは、振り仮名が無いのでそのまま“ものがたり”でしょう。薄手の紙で出来た袋式ジャケットのレコードを持っています。

作詞は松本隆。歌詞の内容はひと夏のサーフサイドラブストーリーを振り返る女の子の気持ちを綴っています。タイトル通りガッチリ作りこんだ物語。視点も同性である女性を意識したものになってます。2番に出てくる“指に残るリングの白い跡”もさることながら、♪別に愛って言い切れるほど 深いつきあいしたわけじゃない~、って言い切らせる松本隆は凄いです。是非ひと夏物の歌詞の参考にして頂きたい出来です。

作曲は林哲司。松本同様当時一時代築き上げました。頭サビから始まるキャッチーなメロ。彼女の高音を活かした(?)♪にぃ~、はご愛嬌。桃子にも見られる林独特の空白の有るm7-5系なAメロ。同じ動機を繰り返さず出てくるBメロ。ふっと抜けるサビを予感させるCメロ。何処を切り取っても林ワールドです。

アレンジは新川博。僕の場合この人のアレンジは外れがよくあるんだけど、「セプテンバー物語」素晴らしいです。聴き込めばわかる微塵も狂わないデジタルなアレンジですが、打込み色を一掃した暖かみ有る仕上がり。林哲司風のムーディーな8ビートサウンドに、松任谷正隆風海辺系リゾートサウンドを足して2で÷った感じ。ってことは狙いは林哲司版「渚のバルコニー」か。♪シュヴィドゥビ~をはじめ、男声コーラスが上品でおしゃれ。あとたった2音だけど、イントロど頭のドラムのフィルインで僕はイチコロです。

ボーカルはちょっとか弱げ。線が細いし未完成品。まだ口先で歌っているのが残念。声質は真っ直ぐ素直で、高音部も癖になりそうですが、アイドル的にとりあえず歌っちゃいました感が一杯です。実家に居た時、大学の近くで彼女を見ましたけどスタイルは良かったですよ。

でもやっぱ良く言えば和風美人とでも言いましょうか。ドラマに出たりCMソングでヒットも出しましたが、ちょっと存在感薄いです。デビュー直後は松本隆も力入ってましたが…。それより林哲司は商業POPSで復活しないんでしょうか?。(from『THE BEST』)

 heaven and earth

児島未散ディスコグラフィ児島未散ディスコグラフィ



情報提供・コメント

タイトルとURLをコピーしました