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木之内みどり『横浜いれぶん』

木之内みどり『横浜いれぶん』
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発売日 1978.02.25
作詞 東海林良
作曲 大野克夫
編曲 船山基紀

メディアの中だけなのか世の中もそうなのか不倫がブームになっています。最近も略奪愛が女性誌の見出し飾っていますが、今に始まった事ではありません。そこでご紹介するのはその昔後藤次利と“愛の逃避行”した木之内みどり「横浜いれぶん」です(オリコン最高位28位、売上8.6万枚)

作詞は「沈丁花」、「唇よ、熱く君を語れ」の東海林良。ここで特筆すべきはあなたを‘あんた”私を‘あたし”と歌っている事です。それまでは阿久悠の古典的アイドルソングや松本隆のFOLK的な世界を歌っていたのに対し、突然お酒が似合う大人のオンナの世界になりました。長かった髪をショートにしたのはそのせいでしょうか?

作曲は「悲恋白書」、「第2章くちづけ」の大野克夫。東海林良とともに木之内みどりのLAST3部作を手掛けていますがこれは珍しい事で、あまり女性アイドルでは見掛けません。ジュリーや「太陽にほえろ!」で有名です。サビ頭の曲ですが出だしだけマイナーですぐメジャーに展開、A・Bメロでは同じ動機もコード進行も出て来ない凄い曲です。その分曲はサビ8小節、Aメロ8小節、Bメロ4小節+変調子1小節と短くなっています。一度聴いたら忘れない“横浜いれぶん~×2”のサビはキャッチーです。

編曲は「ビードロ恋細工」、「真っすぐララバイ」の毎度お馴染み船山基紀。勿論デジタル化する前のアレンジです。歌詞同様とても歌謡曲なアレンジです。

ボーカルは割と味の部類で、線が細く何処となく頼りない声質。ちょっと鼻にかかった感じで“い段”の語尾はとてもスウィート。でも発音とかはきれいだと思うし、歌詞が聞き取り易い素直なボーカルです。イメチェン後は凄味も増して独特のうなりも入ります。何より歌に意欲的に取り組んでいる感じがするのがなかなか良いです。

僕にとっての木之内みどりは“刑事犬カール”の印象が強いのですが(というか、「走れ風のように」以前の曲はリアルタイムで歌っている記憶が無い)、当時は大学生あたりに人気のピンナップガール的存在だったようです。

今回ご紹介した「横浜いれぶん」が最大のヒットですが、 S51(1976)年からS52(1977)年にかけて一早くニューミュージック系の作家陣を起用した楽曲作りは、セールスは今いちでしたが、もっと評価されても良いのではないでしょうか。(『フォーエバー・アイドル・シリーズ』木之内みどり、他)

 heaven and earth

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