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ジュディ・オング『惑いの午後』

ジュディ・オング『惑いの午後』
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発売日 1979.08.21
作詞 阿木耀子
作曲 筒美京平
編曲 筒美京平

今回はアダルティーな曲をご紹介します。ジュディ・オング「惑いの午後」(オリコン最高位52位、売上3.8万枚)です。ミリオンセラー「魅せられて」の後を受けリリースされましたが地味に終わった曲です。

阿木+筒美コンビは「麗華の夢」まで3部作を手掛けています。又S54(1979)年には金井夕子「スリランカ慕情」・梓みちよ「よろしかったら」などを送り出しています。

歌詞のテーマは昼間の情事。イニシアチブを取るのはもちろんジュディ。♪さぁ~…なさい、と命令し、あなたとこうしていられるのは“あとどのくらい”かしらとのたまい、だから今はせめて今は昼下がりまでの男爵夫人(パロネス)、と燃え上がる色っぽい内容。「魅せられて」のさらに上を行く情事っぷり。さすが阿木耀子の小説的な世界です。

メロディーはいかにもの京平節。世間的にはこのとっちらかり具合がイマイチだったのでしょうが、おもちゃ箱のように次から次へと色んなメロディーが飛び出してきて楽しいです。動機の一つ一つがあまりに魅力的で束にしたら印象がぼやけてしまうとでも言いましょうか。でも僕は好きです。ペンタトニックを使用しちょっとバタ臭い感じが良いです。

アレンジは8ビートでベースは大した事ないですが、芸の細かいリズム隊とうなりまくるストリングスが最高!何気に刻むアコギも良い味出してます。とっても下世話で素敵。まさに京平アレンジの醍醐味です。個人的にはサビの最後の♪だから今は~から半音dimで#するコード進行に弱いです。もうメロメロ。

ジュディの安定したボーカルは皆さんご存知でしょうが、この曲は是非ディスクで堪能していただきたいです。溜め息の使い方、力の抜き方、フェロモン全開です。ちっちゃい「ぁ…」が随所に散りばめられてます。女優魂がここまでさせるのでしょうか。ただ1箇所最後のリフレインで♪だから今は~、の部分がもたつくのはテヌートしてるのか単にリズムに乗れていないのかちょっと怪しい所です。

ところで最近この手のサウンドがなくてつまらないですね。大人の歌は演歌になっちゃうし。自作自演じゃない職業作家が作り出す歌謡曲の世界が懐かしいです。(『GOLDEN J-POP/THE BEST』ジュディ・オング)

 heaven and earth




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