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中山美穂『BE-BOP-HIGHSCHOOL』

中山美穂『BE-BOP-HIGHSCHOOL』
発売日 1985.12.18
作詞 松本隆
作曲 筒美京平
編曲 萩田光雄

アナクロな不良像が微笑ましい、”ツッパリ歌謡・外伝”

美穂が出演した、同名映画のテーマソング。原作は同名のマンガ。
この原作は”ツッパリ賛歌”の感がある、青少年向けコミックなのだが、歌詞もそのテイストに追従している。
これは偶然だと思うが、『毎度おさわがせします』のイメージのうち、”性典””生意気”は前2作で消化されたが、残りの”ツッパリ”がようやくココで、それも『毎度~』とは無縁な形で取り上げられた。
これで美穂が『毎度~』で築いた”持ち札”は全て使い果たした。
そういう意味では、「C」「生意気」、この「BE-BOP~」は『毎度~』三部作といえるかも。

で、その歌詞だが、「少女A」派閥には属さない”ツッパリ歌謡”に松本が挑戦している。
「少女A」との最大の違いは、ツッパってるのが主人公自身ではなく、あくまでも彼氏だけという点。
具体的な描写は無いが、その彼氏のツッパリぶりも、凶暴性はなく、いたって可愛いレベル。
“ヤンキー”というより、どっちかといえば正義感の強い”番長”っぽいのだ。
主人公はそのヤンチャぶりを、母性を持って好意的に見つめている。
♪おやすみ私のSteady-Boy 大きなBaby~
これは男からみれば、”理想の彼女像”といってもイイくらい、たまんない魅力だろう。
作品世界は『BE-BOP~』というよりも、ちばてつや『ハリスの疾風』に近いかも。国松とおチャラみたいだ。

曲はソフトなメジャー調。音域は高めで、主題に合わせて、美穂の可愛らしい声を聴かせる作りだ。
歌い出しが、曲とは無関係にマイナー調なのが耳を引くけど、彼氏に対する愛情を逆説的に綴る歌詞に呼応すべく、ココだけはメジャーとは正反対のマイナーにしたのだろう。

アレンジを含めて、全体のサウンドは70年代アメリカンポップス調。
スチールギターの導入が、カーペンターズ「見つめあう恋」を想わせる。
この郷愁漂うサウンドが、歌詞のアナクロな不良像と絶妙にマッチしている。ということは、この歌は詞先?

この作品、”ツッパリ歌謡”本来の定義(詳しくは中森明菜「少女A」を参照)からは大きくズレていて、実質的には”ツッパリ歌謡・外伝”ともいえる内容だが、この”ちばてつや”的な世界観は好感度大で、主人公のマドンナぶりと相俟って、ヤンキー層の支持も獲得。

ちなみに、映画『BE-BOP~』で美穂はお嬢様役だったが、これも『毎度~』で築いたイメージを損なわず、かといって引きずらない、かなりオイシイ役だった。
映画・主題歌、いずれにしても美穂にとって、この『BE-BOP~』は粗利の大きい仕事となった。(1999.12.28)

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