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佐野量子『星空回線』

佐野量子『星空回線』
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発売日 1988.03.09
作詞 来生えつこ
作曲 来生たかお
編曲 瀬尾一三

がんばれ武豊!ってことで静岡県は富士宮が産んだアイドル佐野量子の登場です。富士宮に我が母の実家があり、聞いた所では住所的には富士川寄りに住んでいたようです。

佐野量子は女性アイドル豊作のS60年(1985)「ファースト・レター」でデビューしました。ベスト盤のCDで初めてちゃんと聴きましたが、作風はいかにもアイドルのデビュー曲ですという古典的なつくりで良いのですが、ボーカルはさ行など発音が悪くてひどい仕上がりです。ところが下手は下手なりに2曲目3曲目と上達するもので、発音も明瞭になり声も太くなって自信がみなぎってきました。

そして「星空回線」です。秋元ものばかりリリースしていた彼女とっては大変身です。詞は相変わらずの難解な来生ワールドで、1番2番と筋立ててありますがリフレインの「もっとクールでいたい」からは???…。僕の理解力が足りないのか、何が言いたいのかサッパリ判りません。曲もいかにも来生節でA-A”-B-B”のシンプルな作りの綺麗なメロディーです。

この曲で特筆すべきはアレンジです。2拍4拍の重量感あるスネアの打込みに4拍目のハンドクラップ。パーカッションもポコポコ鳴って、これだけビートを利かせた来生ものは橋本美加子「個人生活」ぐらいではないでしょうか。ゴージャスオーケストラ系の萩田光雄とは大違いです。

残念なのはボーカルです。声も太くなりました。ピッチも安定してきました。でもその分表情がないというか、かなり棒歌でしなやかさに欠けます。初々しくて下手なのと、丁度良く成長できれば良かったのですが…。まあそれはともかく僕の好きな曲の一つです。

他にも秋元康:作「四月列車」の後藤次利版「4月のせいかもしれない」や、ともさかりえの「くしゃみ」の姉版「あくび」など味わい深いプロダクトを残しています。しかし、ヒット曲はないし、TVや映画も出演していましたがトレンドとはかけ離れていたし、バラエティーもひょうきん族の「なまこ」位しか思い浮かびません。タレントとしての存在感の割には作品が評価されない貴重な存在だと言えましょう。

最大のヒット作といえば自身の武豊との「結婚」。武量子(たけ・かずこ)様、離婚しないようにお幸せに。(『NEW BEST』佐野量子)

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