放映日:1973.08.18
登場怪人:ワナゲクワガタ、ドクダリアン、シオマネキング、イモリゲス、ウニドグマ
脚本:伊上勝 監督:山田稔
今回は5大幹部が勢揃いするので、オープニングのクレジットタイトルもなかなか壮観です。
現役のドクトルGこと千波丈太郎氏は、いつもと違って納谷悟朗氏と共に最後の方ですが、なにせ、天本英世、丹羽又三郎、宮口二郎、潮健児と各氏の名がズラッと並びますから。ストロンガー最終回のクレジットに、ある意味で匹敵するものがあります。
さて、本編。
精進湖畔で釣りをしている正太郎くん親子。少年ライダー隊員の正太郎くんは洞窟を見つけ、その中でデストロンのマークが付いた棺を発見。中には、なんと、ドクダリアン、シオマネキング、ウニドグマ、イモリゲスのショッカー怪人が。
正太郎くんは、見張りをお父さんに任せると、ライダー隊本部に連絡するために外へ。ショッカーの怪人を発見したとの正太郎くんの連絡をうけた立花のおやっさん達は「なぜ、今頃ショッカーなのか?」訝しがりつつも、とにかく、風見志郎は現場へ急行。
洞窟の中では、正太郎くんのお父さんが、怪人達が棺桶の中に居る内にやっつけようと、なんと果敢にも大きな石を抱えて、それを怪人達に打ち付けます。一方、風見はバイクで現場に急ぎますが、そこにデストロン戦闘員のオートバイ部隊が現われて、その行く手を妨害します。バイク同士のアクションというのは、ちょっと久しぶりかもしれません。
その頃、洞窟では、ショッカー怪人達が甦り、正太郎くんのお父さんを襲います。
すると、風見の行く手を妨害していた戦闘員達はさっさと引き上げてしまいました。どうも、ショッカー怪人達が復活するまでの時間稼ぎにすぎなかったようです。それに気づいた風見は現場へ急ぎます。
洞窟の前で正太郎くんと会い、風見は一緒に中に入っていきます。カラの棺と共に、倒れている正太郎くんのお父さんを発見。
すると、地響きがして洞窟が崩れ始めました。お父さんを担いで、二人は洞窟を出ます。
外にはデストロンの戦闘員達が待ちかまえていていました。
風見は、目つぶしをかましたりして戦闘員をなぎ倒しつつ、一人の戦闘員を押さえつけ「洞窟の中にいたショッカーの怪人はどうした?!」と問いつめます。
そこへ突然、輪っかが飛んできて風見の首を締め付けます。ワナゲクワガタの登場です。風見は湖に転落。ワナゲクワガタは、正太郎くんを殺そうとしますが、「子供に手出しはさせん!」とV3登場。
主題歌メロオケにのって戦闘開始。「一度入れば二度と取れんのだ」という割には、ワナゲクワガタの輪はV3にあっさりと引き千切られてしまいます。形勢不利のワナゲクワガタは逃走。「お父さんをすぐに病院にいれるんだ」と正太郎くんに言うや、V3ホッパーでワナゲクワガタの乗った黒い乗用車を確認し、追跡開始。
CMの後、ハリケーンで追跡するV3。黒い乗用車は怪しげな倉庫の前に止まり、ワナゲクワガタは倉庫の中に入っていきました。 後を追ってV3も。そこに待ち伏せていたのは、ショッカー怪人シオマネキングとイモリゲス。彼らと戦うV3。
その様子をモニターで見ている悪の5大幹部達。
場面は、デストロンのアジトへ。V3の感想を求めるドクトルGに、「これがライダーV3か、なかなかやるな」とゾル大佐。それにしても、この5大幹部勢揃いの図は実に壮観です。
○人ライダー勢揃いというのは、後にもしばしば見られましたが、悪の幹部が勢揃いするのは、これがお初にして最後ではないでしょうか(イベント等は別ね。その意味でも、V3第27話・第28話は、ライダーシリーズ中でも貴重なエピソードと言って良いでしょう。
さて、ショッカー怪人と戦っているV3の方はというと、ワナゲクワガタがチョロッと姿を見せますが、「俺には大きな仕事が待っているのだ」と言い残して、さっさと逃走してしまいました。 それを追おうとするV3にしつこく挑みかかってきたシオマネキング・イモリゲスの両怪人も程なく逃走。
再び5大幹部の方に場面は戻ります。
「悪魔の大幹部5人が力を合わせてV3を倒せ、というほどではないぞ」と地獄大使。それに同意する死神博士。首領の意向を訊くブラック将軍。首領は、新開発の毒ガス「ギラードガンマ」で「日本全滅作戦」を5大幹部で実行せよとのこと。
ドクトルGが東京を、ゾル大佐は北海道、地獄大使は九州地方、死神博士は大阪地区、ブラック将軍が中国地方を担当するとのこと。なんだか、JRに似た割り振りですね。ブラック将軍が四国だったら、ほぼマンマなのに。
そして、早速、作戦は実行に移され、戦闘員達がせっせと毒ガスを町中に撒き始め、バタバタと市民が倒れていきます。ところで、首領の解説によると、ギラードガンマは防毒マスクも効かないようなのですが、戦闘員はしっかりと防毒マスクをしてます。
一方、正太郎くんのお父さんは病院で治療を受けています。おやっさんや純子さんといったライダー隊の面々も心配そうに見つめています。医者によると、呼吸は止まっているけど心音は正常だとのこと。 そんなことありうるのでしょうか?
そこに、多くの人々が呼吸困難に陥っているという報告がもたらされます。正太郎くんのお父さんと似た症状だそうです。
バタバタと人が倒れているところへ風見がやってきます。そこに苦しむ人の叫び声が。風見は声のする家の中へ。そこで、ワナゲクワガタに待ち受けてしました。”居間”で戦う風見志郎とワナゲクワガタ。ちょっと妙な図かもしません。
風見はV3に変身しようとしますが、ワナゲクワガタは腕からガス(ギラードガンマかな?)のようなものを吹き出し、これを妨害します。気を失う風見。
画面は、またまた5大幹部へ。
彼らはギラードガンマ用の解毒剤の話しをしています。そして、ドクトルGが解毒剤を持ってくるよう戦闘員に命じます。そこへ、風見を捕らえたと言いながらワナゲクワガタが入ってきました。運び込まれた担架に掛けられた白い覆いを地獄大使が取ると、それはなんと戦闘員。そこへ、ちょうど、さっき命じられた戦闘員が解毒剤を持ってきます。その解毒剤を、一人の戦闘員がサッと奪います。それは風見志郎です。興奮して「捕まえろ!!」と叫ぶ地獄大使を、ドクトルGが「慌てるな」と制止。風見を囲むドクダリアン、ウニドグマ、シオマネキング、イモリゲスのショッカー4怪人とワナゲクワガタ。
風見は戦闘員の服のまま(マスクは取っているけど)V3に変身。 5大幹部の前で繰り広げられる、5大怪人とV3の大乱闘。しかし、多勢に無勢。「V3!逃げられんぞ!!」と叫びつつ迫る地獄大使。V3の運命や如何に?!!
実に個性的な5大幹部。その一言一言に個性が滲みでてます。 全てのセリフを書きたかったところですが、まぁ、長くなりすぎるのもなんですから…。それにしても、どうしても目立ってしまうのが地獄大使。彼は、次回も大活躍しますから、お楽しみに。