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第1話「ライダー3号 その名はV3!」

放映日:1973.02.17
登場怪人:ハサミジャガー、カメバズーカ
脚本:伊上勝 監督:山田稔

第1話のオープニングタイトルバックは、その後のものとは微妙に異なっています。
まず、始めの方の、V3が跨るハリーケンのアップの3カット、第3話以降のものは疾走するハリケーンをイメージさせるために、若干画面がゆれていますが、これが静止したカットです。
そして、最も分かりやすいのが、第1話ですから、主題歌の後奏部分での「仮面ライダーV3風見志郎は…」のナレーションと共に、改造シーンのインサートがありません。そこには、ハリケーンの翼が飛び出しジャンプするカットが挿入されています。

さて、本編。
夜、トンガリ帽子の黒覆面に全身黒装束の数人が、工事現場のマンホールの中に入っていきます。それを見かけた工事関係者のおじさんがやってきます。すると、マンホールの中からハサミジャガーのハサミがぬっと出てきて、彼を一突き。
と、そこに、バイクに乗って、我らが風見志郎がやってきます。これが、風見志郎とデストロンの深き因縁の始まりです。考えようによっては、デストロンのケチの付き始めかもしれません。風見が、倒れているおじさんを助け起こそうとすると、なんと、その人は彼の腕の中で溶けてしまいました。驚愕する風見。そこへ、いきなり、自動車が風見を轢き殺そうと突進してきます。
とっさにこれを避ける風見。

翌朝、風見の自宅。妹の雪子ちゃんが朝食の準備でコーヒーを入れます。
しかし、何者かの手が、これに白い粉を入れています。「おにいちゃん、コーヒーが入ったわよ」と雪子が声をかけると、風見が眠そうに部屋から出てきます。いかにも平和そうです。しかし、風見は、昨夜の不審な出来事を思い出し、これが不可解でなりません。
そして、彼が、砂糖をスプーンに山盛り一杯入れて、コーヒーを口に運ぼうとした…その瞬間、「わっ!」と雪子ちゃんが後ろから風見を驚かします。思わずカップを床に落とし、コーヒーをこぼしてしまう風見。「おにいちゃんがボォっとしていたから…」と無邪気に言う雪子。
ところが、床にこぼれたコーヒーが燃え出すのでした!

本郷猛の研究室。
顕微鏡を覗き、本郷が風見に告げます。「お前のコーヒーに入れてあったのは、チベット産のルガーという猛毒だ」「これで、俺の命が狙われたのは2度目なんだ」と風見。「何故、志郎の命が…」と訝しがる本郷。

場面は代わって屋外。
バイクを走らせる風見。それを見ている立花藤兵衛こと“おやっさん”と本郷猛。本郷は、風見から聞いた話をおやっさんに告げますが、「ゲルショッカーは滅びたんだぞ」と立花のおやっさんはお気楽なことを言っています。そこにコースを一周し、戻ってくる風見。「まだまだ、コーナーリングが甘いぞ!」とのおやっさんの言葉に、「それじゃ、もう一周」と風見は再び走り去ります。
ところが、風見が走り去った方角に、突然、ドカーン!!と爆発音と共に火柱が!「風見が!」と現場に向かう本郷。「俺は救急車を呼んでくる」とおやっさん。

駆けつけた本郷が風見を助け起こすと、「空から…爆弾だ…三度目…」とつぶやき、気を失ってしまいました。そこへやって来る一文字隼人。おやっさんから聞いて駆けつけたとのこと。本郷は、一文字に「救急車が来るまで、この男を頼むぞ」と言い残すと、付近を捜索に行ってしまいました。

草むらに潜んでいるカメバズーカ。それに気づかず本郷は辺りを見回します。
すると、またもや、トンガリ帽子の黒覆面に黒装束の集団です。花輪を持って、なにやら葬列のようです。「この辺りは、教会も墓地もないはずだ…」と怪しく思い、後をつける本郷。黒装束の一団は、墓に花輪を供え、「デェ~ストロォ~ン」と不気味な祈りを捧げると去っていきました。本郷が、その墓を見ると、なんと「本郷猛の墓」とあるではありませんか。「本郷猛の墓」とある紙片を引きちぎる本郷猛。なんだか、とっても怒っている様子です。

救急車に運び込まれる風見。同行するおやっさん。見送る一文字。そこへ本郷が戻ってきました。彼が自分の墓があったことを一文字に告げていると、そこへ、またもや救急車がやってきます。「しまった!」と本郷と一文字。さっきの救急車は偽物だったのです。バイクに跨り、後を追う二人。

救急車の中では、白衣を着た乗員が、突然おやっさんを殴りつけ気絶させると、なにやら黄色い不気味な薬を風見に注射しようと迫ります。突然、起きあがった風見は、その乗員から注射器を奪うと、それを突きつけ「誰に頼まれた?!」と問いつめます。おやっさんも目を覚まして一緒に問いつめます。注射器を突きつけられて、「言う、それは…それは…」と乗員が話しかけると、運転席から突き出したハサミが彼を刺し殺してしまいました。溶けてしまう乗員。
とにかく、救急車から降りる、風見とおやっさん。それにしても、風見志郎、まだ改造されていないのに、素晴らしい回復力です。後に見せる、改造後の回復力は驚異的ですが、元来、タフな人だったのですね。

救急車から降りた二人は運転席を調べますが、誰もいません。そこに、本郷と一文字が到着。「また、新しい組織か…」と一文字。「こうなったら、俺一人でも捜し出してやる!」と風見は意気軒昂です。しかし、「おいおい、無理するなよ」と一文字は釘を刺すのを忘れません。

アジトに戻ってくるハサミジャガーと戦闘員。このシーンのロケが行われたのは、東京都町田市の「こどもの国」。でも、残念ながら、アジトの建物自体は既に取り壊されてしまいました。さて、そのハサミジャガー達を、珠純子さんが目撃。純子さん、イーゼルと絵の具を抱えています。白い毛糸の帽子がキュートです。「何かしら?あの人たち」とつぶやく純子さんの前に戦闘員が出現。逃げる純子さん。「助けて!誰か来てぇー!」その声を聞きつけ、バイクを止める風見志郎。純子さんは「へんな人たちに追われているんです!」と風見に助けを求めます。
しかし、戦闘員の姿はもはや見えません。安心したのか、純子さんは、風見の腕の中で気を失ってしまいました。「まいっちまったなぁ…」と、突然のことにドギマギする風見。と、ここでCM。

CMあけて、場面は風見の自宅。純子の手当をしている、風見の母、綾。それを見ている雪子ちゃんが「お兄ちゃん、ずるいわねぇ、こんな可愛いガールフレンドを隠していたなんて」と言うと、お母さんは「偶然、会って助けたんだそうですよ」と説明します。でも、雪子ちゃんは「うわー、ロマンチックねぇ」と至ってお気楽です。

一方、おやっさんの事務所では、風見が、本郷、一文字、立花の3人に純子さんを助けた経緯を話しています。しかし、これは風見が狙われている一件と関係があるに違いないと、本郷と一文字は、風見に自宅に帰るように言います。

夜、風見の自宅。
目を覚ました純子が、風見の家族に、お礼と共に自己紹介しています。「いろいろお世話になっちゃって、どうもありがとうございました」 風見の父、達治は、優しそうに「良かったね…良かったね」と微笑みます。夜ですから、お父さんもお仕事から帰っていたのですね。純子さんを交えて、風見家の家族団らんです。

ところが、そこに、ズシャ、ズシャ、と奇妙な足音が聞こえてきます。そして、突然、辺りが暗くなります。驚く、風見一家と純子。突然、「シーザース!」壁からハサミが突きだし、壁を破ってハサミジャガーが出現。お父さんは、家族の盾になり、みんなを逃がそうとします。
まず、お父さんが、ハサミジャガーに串刺しに! そこへ、風見が帰宅。しかし、即座に戦闘員に取り押さえられてしまいました。その目の前で、父が、母が、そして妹が、ハサミジャガーに惨殺されていきます。「父さーん、母さーん、雪子ー!!」と風見の悲痛な叫び。「我々の姿を見た者は全て死んでもらう」と、ハサミジャガーは純子さんに迫ります。
と、そこへ、本郷猛が登場。間一髪、純子さんを助けます。そして、即、ライダー変身!「先輩がライダー?!」と驚く風見。ライダーは、戦闘員と戦いながら、屋外へ。しかし、屋外に出ると、ハサミジャガー達は姿を消してしまいました。そこへ、走ってやって来る2号ライダー。サイクロンはどうしたのでしょう?

デストロンの去った風見家。風見は怒りと苦渋の表情で、花瓶の花を引きちぎり叩きつけます。「俺は、今日限り人間であることを捨てる!復讐の鬼となって、親父達の仇は必ずとる!」風見は、振り返って、ダブルライダーに向かって言います。「仮面ライダー、お願いだ、俺を…俺を、改造人間にしてくれ!」ライダーは応えます。「お前の気持ちはわかる…しかし…個人の復讐のために力は貸せない」と1号。「人間でありながら人間でない、その悲しみは、私たち2人だけで十分だ」と2号。「戦うのは、俺達がやる!」
そのやりとりを、純子さんは、悲しそうな目で見つめています。そして、仮面ライダーは、純子さんに、ハサミジャガー達を目撃した場所を訊き、早速、そこへ向かいました。

デストロンのアジト。既に、夜は明けています。アジトに乗り込んでくるダブルライダー。しかし、そこには誰も居ません。「遅かった!既に放棄した後だ…」ところが、そこへ「ようこそ、仮面ライダー1号・2号」と呼びかける声。「ゲルショッカーの首領!」驚くダブルライダー。
「私は最後の組織デストロンを再編成した。世界は必ず征服する!」と首領が言うやいなや、ダブルライダーに、怪光線が浴びせられます。苦しむダブルライダー。デストロンの科学陣が開発した改造人間分解光線です。「あと10秒で全身が分解する。さようなら仮面ライダー」と勝ち誇る首領。そこへ、突然、「先輩!」の声と共に風見が飛び込んできました。ダブルライダーを光線から押し出したものの、今度は、風見が光線を浴びてしまいました。光線源を破壊し、傷つき倒れた風見を抱き起こすライダー。「風見!」「このままでは死ぬぞ」「風見は死を覚悟で私たちを助けてくれた…死なせたくない」「とすれば、方法は一つ!」「よしっ!」

アジトの手術室で改造手術が始まりました。風見の身体にメカを埋め込んでいくライダー。手術台には何故か脳味噌が乗っています。ついに、完成。風見の腕をダブルライダーが掴み「エネルギー全開!」エネルギーを充填しているのでしょうか。ところが、突然、爆発音と共に、手術室の天井が落ちてきました。

大爆発を起こすアジト。カメバズーカが砲弾を撃ち込んでいたのです。「これだけ撃てば、仮面ライダーは完全に死んだな」とカメバズーカ。
しかし、その背後から笑い声が!「デストロンを倒すまで仮面ライダーは死なん!!」ライダーアクションのメロオケをBGMに、ダブルライダーとカメバズーカ・戦闘員達との戦いが始まりました。
首領は、立花のおやっさんにも手を伸ばしていることを告げていました。2号は、おやっさんの所へ向かおうとしますが、カメバズーカの砲撃で行く手を阻まれます。凄まじいカメバズーカの砲撃に、動きが取れないダブルライダー。と、そこへ「待て!」との叫び声!仮面ライダーV3が、その勇姿を現します!「貴様は?!」とカメバズーカ。「仮面ライダーV3!!」「成功したぞ!」と喜ぶダブルライダー。

仮面ライダーV3とデストロンとの激しい戦いが、これから始まるのです。

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