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松本伊代『恋のバイオリズム』

松本伊代『恋のバイオリズム』
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発売日 1983.08.25
作詞 来生えつこ
作曲 吉田拓郎
編曲 萩田光雄

前回に引き続き最近のMyブームになりつつある吉田拓郎作品をご紹介したいと思います。
松本伊代の8thシングル「恋のバイオリズム」です(オリコン最高位16位、売上9.9万枚)。S57(1982)年組が好調な2年目を展開する中、はっきり言ってセールス的にはいまいちで初めて10万枚を割った作品です。

作詞はこれが唯一の来生えつこ。弟たかお作曲以外の作品に「ミスティー・ヒロイン」、「夜のてのひら」などがありますが、吉田拓郎とのコンビとなると他に思い浮かびません。内容は男女の成り行きに戸惑っている女の子の歌詞ですが、男が細い腰に手を回したり、くちづけ盗んだりと所々刺激的?なフレーズを散りばめた、解りの良い歌詞です。他の女性アイドルが歌う吉田拓郎作品には「グッバイ・ガール」、「六月の花嫁」などがあります。

来生えつこ同様松本伊代に提供したシングルはこの曲だけ。相変らずの拓郎節でメジャーマイナー織り交ぜながら16分音符で畳み込みかけます。サビの終わりで同じメロ(或いは譜割)を繰り返すのが特徴ですが、この曲では全体的にシンメトリックな作りになっています。

アレンジはそれまでの鷺巣詩郎から替わった萩田光雄。松本伊代では「ビリーヴ」、「ポニーテイルは結ばない」をアレンジしています。微に入り細に入りの凝ったアレンジですが下品ではない萩田ワールド。オーケストレーションが得意の彼にしてはリズム隊が派手で聴いててわくわくします。デジタルな部分も取り入れ、イントロやブリッジ前のリフでも拓郎節を引き立てています。
ボーカルは落ち着いた鼻声系。そのふてぶてしい声質は音楽評論家の間でも評価が高かったようです。決して上手な人ではありませんが、最近流行の高音ノド声ボーカルに比べたらその聴き易い事。独特のしゃくりあげでアクセントを付けながらも淡々と歌い上げます。

松本伊代はその後もBest10ヒットを出しましたが継続性がなく賞レースとか紅白とかあまり縁がありませんでした。手堅いセールスを上げながら爆発しきれなかったのは人柄の良さでしょうか?でも消費者金融のポケットティッシュやものまねの司会でしぶとく生き残る彼女でありました。(『コンプリート・シングル・コレクション』松本伊代)

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