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河合奈保子『Invitation』

河合奈保子『Invitation』
発売日 1982.12.01
作詞 竹内まりや
作曲 竹内まりや
編曲 大村雅朗

「SWEET MEMORIES」にも通じる、フェミニン路線の佳作

前作「けんかをやめて」の成功を受けて、今回も竹内まりや作品で続投。
そのせいで、やや二番煎じの感は否めないが、この作品もまりやらしいフェミニンな魅力に富んでいる。
奈保子たっての希望で、シングルリリースされた作品でもある。

曲は「けんかを~」同様、スローなメジャー調だが、3連ビートではなく、至ってオーソドックスな作り。
サビも弱いし、前作ほどのインパクトは無いが、比較的高音域で彼女のヴォーカルにフィットしたメロディだ。

実際、彼女も硬軟・メリハリを自在に使い分けて、実にイキイキと歌っている。
♪鍵を閉めないで お願いだから~ のくだりで”泣き”を駆使しているあたり、格段に表現力がUPしているし。

歌詞は「初めて彼氏の部屋に招かれて、嬉しさと緊張が交錯する、少女の微妙な心理」がテーマ。
「けんかを~」に比べると平凡だし、幼稚な主題ではあるのだが、しかし、そこは竹内まりや。
嬉しさと緊張を「ルンルン」にも「シリアス」にも偏ることなく、少女らしい恥じらいを持たせて極めてデリケートに、しかもリアルに綴っているのはサスガ!
メロディに合わせて、至ってソフトで上品な印象だ。

それにしても、♪ペナントだらけのあなたの部屋に~ とは、時代を感じるなぁ。
82年当時でも、こんな部屋は時代錯誤だったような記憶が・・・

とまぁ「けんかを~」に比べると、インパクトに欠ける歌詞・曲ではあるが、今回はアレンジが冴えているのだ。
ストリングスの多用・柔らかなキーボードの旋律・さりげないコーラスなどなど、繊細でデリケートな女性心理を上手くサウンドで表現することに成功。

歌い出しではリズムをブレイクさせ、ボンゴのみというソフトなリズムセクションに仕立てたのも効果大。アコギの優しい旋律も、「彼氏の部屋」というシチュエーションを表すのに意外と効果を発揮しているような気が(当時の”まりや的世界観”では、彼氏の部屋にはアコギとか置いてありそうだし)。

それにしても、大村雅朗と言えば、「スマイル・フォー・ミー」に象徴されるように、ハードで疾走感溢れるサウンドが十八番で、こうしたソフトなアレンジは珍しいと思う。
後に松田聖子「SWEET MEMORIES」を手掛けるが、今回の仕事が大きなヒントになった事は確実だろう。
ソフトなキーボード、静かなコーラス、といった音作りは共通しているし、イントロ・エンディングも似ている。

こうしたアレンジ面の頑張りで、作品が有する上品でフェミニンなムードは十二分に引き出されて、全体の完成度は「けんかを~」を上回る出来映えとなった。

後に「微風のメロディー」や「ラベンダー・リップス」といった、同様のニューミュージック路線はリリースされるが、この手のシングルでは最高傑作であろう。個人的にはもっと多作して欲しいジャンルだったのだが。(1999.12.17)

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