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河合奈保子『愛をください』

河合奈保子『愛をください』
発売日 1982.03.10
作詞 松宮恭子・伊藤アキラ
作曲 松宮恭子
編曲 若草恵

「奈保子サウンド」の調和を乱す奇妙な歌詞

前作「ラブレター」では”片想い”がテーマだったが、今回は一歩進んで「失恋をも乗り越える執念(?)」がテーマ。
こうした微妙な女性心理の表現には、女性スタッフがふさわしいとの判断か、今回は作家陣が全て女性(作詞は伊藤アキラとの共作だが)。花と並んで佇む清楚なジャケ写も、フェミニン志向の顕れか?

今回は、80年代を代表する”謎作家”のひとりである、松宮恭子が作詞・作曲を担当。
それにしても、松宮はあらゆるアイドルに作品提供しているなぁ。
河合奈保子・石川秀美・堀ちえみ・早見優・三田寛子・・・80年代前半の主要なA級アイドルは軒並み押さえているし。しかも、作詞・作曲両方こなす実力者ときている。
それでいて、その実績の割には、全く素性を窺い知る事の出来ない”謎作家”。不思議だ。

それはともかく、まずは曲。マイナー調で、頭サビから始まる曲作りは、前作「ラブレター」を踏襲している。
「ラブレター」ほどの高揚感はないが、なかなかキャッチーなメロディだし、低音域から高音域へと歌い上げる作りで、まぁ悪くない曲だ。
アレンジも前作同様、若草が担当しており、ギター・ストリングス・ブラス主体の相変わらずな「奈保子サウンド」だが、やはり曲に合わせて幾分抑えたアレンジにしている。
平たく言えば、サウンドに関しては特筆すべきものは無い、まぁいつもの感じだ。

対して歌詞は結構特徴的、というか変な歌詞だ。いきなり頭サビで ♪愛をください そっとください~ だし。
何なんだ、「そっとください」って。 で、コンセプトは先に述べたように、「すさまじい女の執念」。
♪好きなのは君だけじゃないよ~ と相手に面と向かって言われたにもかかわらず、
♪あの言葉は悪戯な春風のせいだと思うの~ という手前勝手な思いこみ。

しかも ♪待たされて焦らされて私は今 去年より昨日より大人になった~ といった具合に、成長を自己暗示させて勝手にケリ付けてるし。一途な愛情を表現したつもりだろうけど、今一つ共感出来ない内容だ。
あーだこーだいろんな事を綴ってストーリー展開させてるけど、どこか吹っ切れない印象。
作詞のみ共作となっているのも、やはり迷いの顕れでは?

この作品、サウンド面に関してはお馴染みのパターンで予定調和的だが、歌詞だけがこの調和を引っかき回しているかのようだ。サウンドに個性が無い分、歌詞で個性を出したかったのか?
まぁそういう意味では、この作品、地味ながらも面白くはあるかも。でも失敗作だが。(1999.12.17)

 HAGGYの台所
 


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