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河合奈保子『17才』

河合奈保子『17才』
発売日 1981.03.10
作詞 竜真知子
作曲 水谷公生
編曲 船山基紀

南沙織と似ているのは、タイトルよりも歌唱法

なんといっても、この南沙織と同名異曲なタイトルが興味を引く。
確かにご両人とも、リリース時は17才ではあった。しかし、歌詞・曲・アレンジ・・・・・ひとつも似ていない。
タイトル以外は全ての面で結び付く要素は何一つ無い。

まずは歌詞だが、南盤がタイトルとは無関係な内容だったのに対し、奈保子盤はとことん「17才」という年齢にこだわった内容であるのが特徴。

サビで ♪あぁ17才の私~ と、駄目押しをしているのはもちろんだが、
歌い出しから ♪大人でもない 子供でもない~ 
といった具合に、17才という年齢の「どっちつかず」な中途半端さを解りやすく綴っている。
♪だから愛も揺れるんです~ ってホントかよ、説明的だなぁ。

それにしてもこの歌詞、サビ以外はほとんど、こうした「どっちつかず」の羅列に終始しているのがスゴイ!
♪友達じゃない 妹じゃない~ とか、♪眠ってもダメ 起きててもダメ~ 
♪ちょっぴり幸せ ちょっぴりブルー~ だの、♪ひとつ上って ひとつ迷って~
芸があるんだか無いんだか。

で、曲だが、マイナー調からメジャーに無理やり転調するくだりは、さすがに同じスタッフだけのことはあって、「ヤング・ボーイ」と共通している。しかし、「ヤング~」とは違って、歌い出しはそれほど低音域ではない。

のっけから中・高音域でスタートし、サビに至るまでひたすら疾走するかのようだ。
アレンジもそうした作りに追従する形。
ストリングスやブラス系、ピアノを多用し、スピード感溢れるサウンド作りで、最後まで突っ走る。

しかも、所々リズムを変化させたり、SEを使っていたりと、なかなかスリリングで凝った作りである。その点は同じ南沙織でも、「傷つく世代」「夏の感情」的かも。

しかし、一番注目したいのは歌唱面。
作品自体に南盤「17才」との接点は無いが、こと歌唱に関しては、先に述べたシンシア作品「傷つく~」「夏の感情」に通じる、あのグルーブ歌唱(?)を聴かせているのだ。
「ヤング~」や「愛してます」ではそれほど顕著じゃなかったが、この「17才」のように高音域でアップテンポだと、歌唱に独特のグルーブ感が伴うのは、もともと彼女の歌唱に”ハネる”傾向があるからだろう。

いわゆる”泣き”に近いかも。そうしたヴォーカル面での長所が、この作品で開発された。
アレンジも彼女の歌唱を生かすべく、♪もうあなたで いっぱい~ の部分では、エコーを掛けたりしていて、なかなか心憎い演出だ。

なんか、シンシア盤「17才」とは全然違うものを作ろうとして、その結果、同じシンシアの「傷つく世代」や「夏の感情」に近づいてしまったのは皮肉だ。でも、傑作だからイイか。(1999.12.17)

 HAGGYの台所
 


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